「選抜高校野球・1回戦、東洋大姫路7-2壱岐」(20日、甲子園球場) 1回戦3試合が行われ、昨秋近畿王者の東洋大姫路(兵庫)が7-2で21世紀枠の壱岐(長崎)を下した。2019年夏の甲子園で履正社を優勝に導いた岡田龍生監督(63)が22年…
「選抜高校野球・1回戦、東洋大姫路7-2壱岐」(20日、甲子園球場)
1回戦3試合が行われ、昨秋近畿王者の東洋大姫路(兵庫)が7-2で21世紀枠の壱岐(長崎)を下した。2019年夏の甲子園で履正社を優勝に導いた岡田龍生監督(63)が22年から母校を指揮して以降、初となる聖地1勝。西日本短大付は斉藤大将外野手(3年)が今大会1号をマークするなど、大垣日大に6-0で快勝。山梨学院は天理を5-1で下して3大会連続の春初戦突破を果たした。
東洋大姫路の岡田監督は晴れやかな表情で、14年ぶりに聖地に流れた校歌を口ずさんだ。2022年に母校の監督に就任して以来、思い描いてきた目標を一つかなえた。
「本当に初出場した時の気持ちで感無量です」
ユニホームは変われど、履正社を強豪に育て上げた百戦錬磨の手腕に衰えはなかった。初回にエース・阪下が2失点を喫し、右肘の違和感を訴えてわずか1イニングで降板。二回1死三塁で三塁走者が飛び出すミスが起こるなど、攻撃もことごとく機能せず。球場全体が相手ムード一色となり、ナインは浮足立った。
そのまま悪い流れにのまれてもおかしくない状況から立て直せるのが名将たるゆえん。選手が浮つくのも想定の範囲内だった。攻めあぐねていた打線には毎イニングベンチ前で円陣を組み、狙い球や打席の考え方を指導。「だいぶベンチで怒っていました」と時折、語気も強め、動揺するナインの気持ちを正した。
打線は1点ビハインドの五回に4適時打を浴びせて一挙5得点。終わってみれば12安打を記録した。投げては右肘故障で昨秋メンバー外だった2番手・木下鷹太投手(3年)が最速147キロをマークしながら8回2安打無失点と好救援。「日頃から(2番手は初回からいけるように)準備させている」とエース降板のアクシデントにも策は既に打ってあった。
祝日で約4万人の観客が集結。「姫路の人はすごく応援してくれる。阪神ファン以上かな」とアルプスの大応援団に感謝。「まだまだ物足りない」と高みを見据える指揮官。母校初の春優勝へと駆け上がる。