◆26年北中米W杯アジア最終予選▽第7戦 日本2―0バーレーン(20日、埼玉スタジアム) 今予選を通して日本はアジアの中で別格だった。強みは状況を見て、戦い方を変更できることだ。 この日もW杯への可能性を残すバーレーンが、日本を倒すために研…
◆26年北中米W杯アジア最終予選▽第7戦 日本2―0バーレーン(20日、埼玉スタジアム)
今予選を通して日本はアジアの中で別格だった。強みは状況を見て、戦い方を変更できることだ。
この日もW杯への可能性を残すバーレーンが、日本を倒すために研究してきた。4トップ気味に攻め、堂安、三笘のサイドが下げられた。日本は5バックになり、ハイプレスができなくなった。相手がアグレッシブに攻めてくる中で、日本は大胆に狙わず少々慎重だった。
ただ、疲れが出た相手のマークが緩くなると、堂安と久保が入れ替わったり、南野と守田がスライドしたりして主導権を取り戻した。相手が当初の情報と違った戦い方をして、悪い時間帯があってもやられることはなく、変化を作り出せるのが日本の良さだ。交代枠もうまく使い、選手も流動的に動き、相手の隙を突いて仕留めた。
第1次森保ジャパンから、さらに成長したポイントは3つある。まずはもちろん、三笘、久保や海外クラブで活躍する選手が増え、個の力が上がったことだ。
そして、森保監督の手腕も光った。停滞した中でゲームチェンジができる。攻めあぐねたこの日も、南野の前の相手は緩かった。そこで相手の疲労が見えると鎌田を投入した。ゲームを読む冷静な目を持ち、相手の嫌なところを確実に突ける鎌田が絶妙な飛び出しから先制点を奪った。スコットランドで絶好調の前田を途中起用するかと思ったが、森保監督はしなかった。体だけではなく、心の状態など日頃から選手を深くまで観察していないとできない采配。ベストな選手を、ベストなタイミングで使える。
ピッチの選手たちも指示待ちではなく、自ら修正できるのも大きな成長だ。この日もDFラインは板倉、前線は南野が大きな声で指示を出して、選手を動かしていた。
世界一の目標を持つことはいいことだ。目線が高く持てば、8強入りも見えてくる。W杯本大会までの期間に、2チームを作れる選手層になれば8強は確実に見えてくる。(スポーツ報知評論家・北澤 豪)