◆YBCルヴァンカップ ▽1次ラウンド1回戦 湘南1-0金沢(20日・石川県西部緑地公園陸上競技場) J3ツエーゲン金沢は、0-1でJ1湘南ベルマーレに敗れ、初戦敗退を喫した。スタメン全員が今季の公式戦初先発で、そのうち6人が今季初出場。2…

◆YBCルヴァンカップ ▽1次ラウンド1回戦 湘南1-0金沢(20日・石川県西部緑地公園陸上競技場)

 J3ツエーゲン金沢は、0-1でJ1湘南ベルマーレに敗れ、初戦敗退を喫した。スタメン全員が今季の公式戦初先発で、そのうち6人が今季初出場。2カテゴリー上の強敵を相手に押し込まれる場面も多かったが、攻守でアグレッシブなプレーを繰り広げた。しかし、後半30分にDF毛利駿也(29)が失点を防ごうと、ゴール前に走り込んだ際に痛恨のオウンゴール。最後まで気迫のプレーを見せたが、追いつくことはできなかった。伊藤彰監督は「リーグ戦に出ていないメンバーだったが、キャンプの時から調子は良かった。怪我から復帰した選手もいたが、いいパフォーマンスを出してくれた。結果的に次のステージに進めずに残念だし、勝ちたかったゲームでした」と振り返った。

 敗れはしたが、大卒ルーキー2選手が初先発でプロデビューを果たした。今春に北陸大を卒業して加入したMF村田迅(22)はボランチとして出場。村田は「多少、緊張する部分はあったが、ホイッスルが鳴ってしまえば緊張も解けて体は動きました。J1の壁を感じたところもあったが、持ち味のハードワークは出せました」と手応え。恩師や後輩がスタンドで応援する中、豊富な運動量を武器に攻守で奮闘し、CKではキッカーとしてチャンスを作った。

 立正大を卒業して加入したDF宮崎海冬(22)もプロ初出場。本来はウイングバックだが、攻撃力を期待されて、この日はシャドーとして起用された。「バスが会場に到着するまでは緊張していたが、そのあとは楽しんでプレーしたいという思いになった。J1を相手に失うものは何もなく、思い切ってやるだけでした」と全力プレーを見せつけた。試合後にはJ2甲府に所属している兄、純真(24)からLINEでねぎらいの連絡も。「兄からは、試合に出場できるようにアドバイスを受けています」と感謝した。

 リーグ戦で出場機会の少なかった選手が好プレーを見せ、次につながる試合となった。伊藤監督は「誰が出場しても活躍できることを、このゲームで確信しました。これからの選手起用の選考も難しくなってくる」と話せば、MF村田は「もっとプレーのスピードを上げ、精度を上げていかないと、ポジション争いには勝てない。次はJリーグでデビューできるように頑張りたい」と闘志満々。チーム戦力を底上げしながら、悲願のJ2復帰を見据える。(中田 康博)

 ○…勝利したJ1湘南の山口智監督は「難しいゲームになると思ったが、選手は素晴らしいゲームをしてくれた。理想はもっと圧倒したかったが、たくさんのサポーターが来てくれた中、勝利を届けられたのは良かった」と胸をなで下ろした。