佐々木朗希、メジャー初登板は3回1安打3奪三振5四球1失点【MLB】ドジャース 6ー3 カブス(19日・東京ドーム) ほろ苦いメジャー初登板でも怪物の片りんは示した。ドジャースの佐々木朗希投手は19日、東京ドームで行われたカブス戦に先発。3…
佐々木朗希、メジャー初登板は3回1安打3奪三振5四球1失点
【MLB】ドジャース 6ー3 カブス(19日・東京ドーム)
ほろ苦いメジャー初登板でも怪物の片りんは示した。ドジャースの佐々木朗希投手は19日、東京ドームで行われたカブス戦に先発。3回56球を投げ1安打3奪三振も5四球を与えて1失点だった。現役時代にヤクルト、阪神など4球団で捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏は「片りんは十分に見せた」と一定の評価。「米国に戻って、次の登板が真価を問われる」と次回登板に期待を寄せた。
初回は160キロを超える直球を連発。力で3者凡退にねじ伏せる上々の立ち上がりだった。「MLBのデビュー戦、しかも東京での開幕シリーズ。マイナー契約でスタートして開幕直前にメジャー契約でしょ。そんなシチュエーションで力むなという方が無理。誰でも力が入りますよ。初回は力みまくっていた。100マイル(約161キロ)を連発して3者凡退。ただベンチに帰ってホッとしたのか、2回以降はバランスが崩れたように見えました」。
野口氏が「あんなに四球を連発するような投手じゃない」というように佐々木は過去3年間、奪三振率11.87をマークする一方で与四球率は1.96。制球を崩すことが少ないタイプだが、この試合は打者14人に対し、初球ストライクは3人だけ。56球中、半分以上の32球がボールで、ストライク率は約43%。3回は押し出しを含む3連続四球で失点した。常にボールが先行する内容ではリズムに乗れない。球数もかさんで3回での降板となった。
それでも「あれだけの球を持っているのを全世界に思い知らせることはできた。怪物が海を渡って、注目される中で、その片りんは初回の1イニングで十分に見せたと思う」とデビュー戦としては及第点の評価。「次の米国での2試合目で真価を問われるでしょう。もう、ここまで力むことはない。平常心で臨めるはず。(試合の)入り方をうまくやって、すんなり切り抜けられれば問題なくいけるんじゃないか」と次戦での本領発揮に期待する。
カブスに許した2つの盗塁に懸念「崩しにきていた」
2回に取られたピッチクロック違反については「仕方ないでしょう。今まで経験がないんだし、これはやりながら慣れていくしかない」。一方で完全にモーションを盗まれて楽々と許した2つの盗塁については懸念を示した。「日本でやっている時から、他球団は足を使って崩しにきていた。今回、カブスもそういう情報を持っていたはず。米国では他の球団にも伝わっていて、佐々木との対戦の鍵は『足だな』となっていると思います」。
メジャーでは牽制の数が1打席につき2度までの制限もある。「2球はできると考えて、どこで投げるかを考える必要もある。チーム、バッテリーで工夫するしかない。後はスライドステップの部分、クイックですね」と課題を指摘。その上で「米国では走られまくっても、ホームに還さなければいいというスタイルの投手もいっぱいいる。走らせないようにするか、最終的に得点されないようにするか、考えることも必要かもしれません」とも話した。
見せつけた実力と浮かび上がった課題。それだけ可能性は無限で、楽しみが広がる。日本が誇る怪物の挑戦は、まだ始まったばかりである。(尾辻剛 / Go Otsuji)