新日本プロレスは19日、新潟・長岡市のアオーレ長岡市民交流ホール Aで「NEW JAPAN CUP 2025」(NJC)決勝戦の前日会見を開催した。 今年の春の最強決定トーナメント「NJC」は、海野翔太とデビッド・フィンレーが決勝戦へ進出…

 新日本プロレスは19日、新潟・長岡市のアオーレ長岡市民交流ホール Aで「NEW JAPAN CUP 2025」(NJC)決勝戦の前日会見を開催した。

 今年の春の最強決定トーナメント「NJC」は、海野翔太とデビッド・フィンレーが決勝戦へ進出し、20日にアオーレ長岡で激突する。会見でフィンレーは「オイ、海野。プロレス界で二世の成長を阻む最も悪なものって何か知っているか? それは、二世であるがゆえというだけで、そのお前が所属しているグループで実力をつけていっているにも関わらず、仲間の声で『いや、お前はまだ早い』『まだお前の時じゃない』と、お前の成長を止めに来るそういう声が一番最低なヤツらだと思わないか? 俺自身その経験があって、それらをすべて乗り越えてきた。明日の夜、お前がどちら側の人間になれるかどうか、楽しみにしているよ」とメッセージを送り「ただ、一般的に俺はこういうプレッシャーがあるのは、一般人では難しすぎると思う。ただ俺はお前のことを小さい頃から知っている。お前が初めて道場に来た少年だった時、お前は道場にも、建物の中に入ることさえも許されなかった。外で命じられたスクワットを、命じられた回数だけ必死にこなしていたよな? 何時間もだ。その日だけじゃなくて、次の日もお前はやって来た。そして同じように繰り返していた。お前は疲れ果てて、道路に寝転ぶようなことになっても諦めずに何度も立ち上がってきたじゃないか。それはなぜかというとお前はあの時、何かを証明しようと必死になっていたからだ」と振り返ったが「ただ、今のお前を見るとどうだ? お前の親父の高い期待に応えられず、みんなを失望させるような結果になっているよな? ただ、俺はお前がやってきたことを見ているし、お前にハートがあるってことはわかっている。ただ、今のお前を見ていると、まるであの頃の道場にやって来た少年のような、うつむきがちで下を見ていて、お前が自分自身を殺して何かを証明しようともがき苦しんでいるような、あの頃のお前を思い出すよ。だからこそ明日の長岡で、みんなが見ている前で、お前のことをぶちのめしてやる。これはお前自身がやってきたことに対する罪だ。お前が気絶して意識がなくなる……そんなことはしないよ。1秒でも長くお前をいたぶり続けてやろう」と挑発した。

 海野は「悔しいですよ。悔しいの一言でしかない。俺はデビッド・フィンレーに対して特別な感情を抱いている。この世界どこを探しても、誰を見ても、俺のことを唯一理解してくれる人間だ。これ以上こんな悔しい想いをしたくないから、すべて理解してくれたデビッドだからこそ、過去の自分も、今の自分も、すべてをぶつけて勝ちという結果にこだわって、明日またマイクで締めさせていただきます」と決意表明した。記者からは「2・11大阪大会でグレート―O―カーン選手に敗れ、髪を丸刈りにされ、入場、技を捨て去り大きな変化があったと思いますが、どのような心境の変化があったのですか?」と聞かれ「大阪大会を経て、自分の中の一つのアイデンティティーがブチ壊れたので、正直、何していいかわからないですし、どう生きていいかわからないし、何が正解なのか、何が不正解なのか、まったくわからないですよ。でもそれを探して、もがいて、何かを見つけて、その先を見出して、みんなに夢や希望を見出していくのが、俺はプロレスラーだと思ってます。一つの幕が閉じして、新しい自分……別に想いもこだわりも特にないですけど……自分のことだけは嫌いになりたくなかったから、元気に生きてる姿をファンの方にも見せたかったし、変化というかキッカケをくれたグレート―O―カーンには『ありがとう』とは思いますけど、いまの自分も、過去の自分も変わらず海野翔太であり続けたいなと思って、明日リングに上がります」と明かした。

 フィンレーは、頭を丸めた海野について「正直、海野に対して思うことは特にないが、いまだに棚橋だったり、海野の父親だったり、間違った人たちに対して、幸せにしようともがいているんじゃないかと感じてる。間違った方向に進んで、くだらないことをやってるなと思っている。俺を見ろ。俺は勝ちにこだわってきたし、ベルト、勝利にもこだわってきた。その違いが明日出るんじゃないか」と優勝を宣言していた。