親せきにプロレーサーを持つ17歳が、北九州のバンクを疾走する。静岡北の丸山力(3年)が、1キロタイムトライアル(TT)に出場。同校OBで一昨年に同種目で優勝した、いとこの丸山留依(19)に続き「僕も勝ちたい」と、背中を追いかける。 カンボ…

 親せきにプロレーサーを持つ17歳が、北九州のバンクを疾走する。静岡北の丸山力(3年)が、1キロタイムトライアル(TT)に出場。同校OBで一昨年に同種目で優勝した、いとこの丸山留依(19)に続き「僕も勝ちたい」と、背中を追いかける。

 カンボジア人の父と日本人の母を持つ。4歳から父の母国で過ごし、中学入学時に静岡市内へ移住。清水飯田中では野球部に所属し、主に外野を守った。自転車に興味を持ったのは、伯父で競輪選手として活躍する丸山啓一(50)の影響だ。「中3の時、静岡競輪場で走っている姿を見て感動した。自分もやりたいと思った」。自転車競技部のある静岡北を進学先に選んだ。

 啓一の次男・留依が高校の2つ先輩にいたのも心強かった。5月にプロデビューするいとこ同様、力も将来はプロレーサーを目指している。「2人には色々アドバイスをもらっています。フォームや練習メニューを参考にしている」。まだ、体力がないため心肺機能を高める練習や、自重トレの仕方などを教えてくれる頼りになる存在だ。

 よく母校の練習に参加し、力の練習を見守っている留依は、「入学当時、ガリガリだったけど、だいぶ体も大きくなってきた。タイムも伸びているので楽しみです」とエール。親せきの声援を背中に、丸山が全国の舞台でペダルをこぐ。(塩沢 武士)

◆丸山 力(まるやま・りき) 2008年2月4日、静岡市清水区生まれ、17歳。両親と双子の弟の5人家族。175センチ、68キロ。

 〇…落合隼(しゅん、静岡北2年)は表彰台も狙える逸材だ。今大会は3キロインディヴィデュアル・パシュートとロードの2種目にエントリー。中学から独自で競技に取り組み、一日20~30キロ乗り込んでいたという。高校入学後も多い時には一日80キロを走る。「入賞が目標。将来はナショナルチームに入りたい」。大の自転車好きを公言する男が、全国で暴れ回る。