サッカー日本代表は、勝てば8大会連続8度目の26年北中米W杯出場が決まるバーレーン戦に向け、会場の埼玉スタジアムで大半を非公開にして最終調整を行った。C組2位に勝ち点9差をつけて首位を独走する日本は、勝てば3試合を残して日本史上最速、各大…

 サッカー日本代表は、勝てば8大会連続8度目の26年北中米W杯出場が決まるバーレーン戦に向け、会場の埼玉スタジアムで大半を非公開にして最終調整を行った。C組2位に勝ち点9差をつけて首位を独走する日本は、勝てば3試合を残して日本史上最速、各大陸予選参加の45か国の中でも“世界最速”となる出場が決まる。昨年10月以来の代表復帰となったFW上田綺世(26)は先発出場が有力。最速突破決定に、日本のエースがゴールで貢献する。

 第2次森保ジャパンでここまで14得点の“得点王”上田から全快宣言が飛び出した。「今は、かなりいい状態じゃないかなと。いい準備をして臨むだけです」。昨年11月の最終予選2試合を負傷欠場し、今回のバーレーン戦も太ももの負傷で一時は招集が不安視されていたが、代表合流直前のオランダ1部での試合で2得点。コンディションは上々、気分も上々の点取り屋が、世界最速W杯を狙う森保ジャパンに帰ってきた。

 抜群の身体能力とゴールの嗅覚を併せ持つ上田には、自身の“ストライカー論”がある。「どんな状況でも、毎試合点を取るのがいいFW」。2次予選だろうが、最終予選だろうが、W杯切符をかけた試合だろうが、いいFWはどの試合でも点を取る。だから、試合前に特別な感情にはならず、力むこともなければ、気負うこともない。「次の試合でW杯が決まるからどうこう、ということはない」と、いつも通り平常心を強調した。

 22年3月のカタールW杯出場決定の瞬間はピッチ上で迎えたが、当時の代表通算得点数は「0」だった。そのままW杯メンバーに選ばれたが、唯一の出場となった第2戦のコスタリカ戦(0●1)を含め、通算得点数は「0」のまま、夢の舞台が終わった。

 「あの時の自分と比べると…。全然違う状態なのかなって。成長を感じます」。“未完の大器”だった時代を乗り越え、第2次森保ジャパンでセンターFWのポジションをつかんだ。この3年で代表通算得点数は「14」にまで増えた。このうち、バーレーンとは2度の対戦で、3得点を稼いでいる。

 日本のエースとして、W杯出場決定に王手をかけた試合に臨む。上田は「常にゴールは狙っていきたい」と息巻いた上で「どんな状況でも、毎試合点を取るのがいいFWなので」と持論を反復し、自らに言い聞かせた。バーレーン戦でのW杯出場権獲得に、成長を遂げた点取り屋の決定力は欠かせない。(岡島 智哉)

 ◆前回のバーレーン戦 2024年9月10日、アジア最終予選の第2戦は敵地で対戦。前半37分、PKのキッカーを務める上田の顔付近に観客席からレーザー光線が当てられたが、冷静に決めた。後半2分には三笘、遠藤、伊東の軽快なパス回しから上田が右足で追加点。気温36度、相手サポーターの大声援にも動じず5―0で大勝した。