◆大相撲 ▽春場所11日目(19日・エディオンアリーナ大阪) 本当の電車道といえるだろう。尊富士は頭で当たると美ノ海の肩口を突いてそのまま一気に走った。解説いらずの相撲。美ノ海に相撲を取らせなかった。 昨年の春場所。“尊富士の1…

◆大相撲 ▽春場所11日目(19日・エディオンアリーナ大阪)

 本当の電車道といえるだろう。尊富士は頭で当たると美ノ海の肩口を突いてそのまま一気に走った。解説いらずの相撲。美ノ海に相撲を取らせなかった。

 昨年の春場所。“尊富士の1%”と呼ばれた奇跡の新入幕Vから、右足首を痛めての休場を経て昨年の九州場所で幕内に復帰した。その後は抜群の安定感で数字を残している。スピード自慢の速攻相撲が最大の持ち味。組んでも離れても攻めの速さが際立っている。タイプ的には琴錦(朝日山親方)をほうふつとさせる。昨年の春場所よりさらにスケールアップしているから末恐ろしい。

 12日目は大の里との一番が組まれた。尊富士は背中を丸めて下から攻め上げるだろう。腰の高い大の里が引き技に逃げようとしたら尊富士に走られてしまう。大の里の悪い癖でもある“毒まんじゅう”が出るか出ないかがポイントだ。(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)