「選抜高校野球・1回戦、沖縄尚学6-3青森山田」(19日、甲子園球場) 春の聖地には悔しさが刻まれた。記録員としてベンチ入りした青森山田の岩川良秀さんは「勝つために練習してきたんですけど、足りなかったのかなと…」と唇をかんだ。 「良秀を甲…
「選抜高校野球・1回戦、沖縄尚学6-3青森山田」(19日、甲子園球場)
春の聖地には悔しさが刻まれた。記録員としてベンチ入りした青森山田の岩川良秀さんは「勝つために練習してきたんですけど、足りなかったのかなと…」と唇をかんだ。
「良秀を甲子園に連れて行く」-。仲間が有言実行してくれた甲子園だ。中学3年時に負った右肩亜脱臼が原因で、高校入学直後に右肩痛が再発。1年以上治療を続けてきたが、昨秋に学生コーチとなることを決断した。
埼玉県出身。故郷を離れ、青森の地で甲子園を夢見た。葛藤がなかったわけではない。「選手として高校野球を終えたいなという気持ちもありましたし、両親が送り出してくれたので…」。それでも、「違う形で携わっても、悔いなく終われる方が良いのかなと。仲間と笑顔で終われるのが一番」と転身を決意した。
現在はノックを打つほか、相手校のデータ分析なども担当。「チームに何が足りないか、どの部分がたけているかを客観的に見られるようになりました」と縁の下からチームを支える。聖地で躍動するナインは「ヒーローのような、憧れの存在。かけがえのない宝物」と岩川。「この子たちと日本一を目指したい」。敗戦を糧に、最高の仲間とともに再び夢舞台へと戻る。
◆岩川 良秀(いわかわ・らしゅう)2007年7月8日、17歳。埼玉県出身。170センチ、71キロ。小学3年時から滑川都ベースボールクラブで野球を始め、川角中では東京神宮リトルシニアに所属。右投げ右打ちの外野手としてプレーしたが、青森山田2年秋に学生コーチに転向。