「カブス3-6ドジャース」(19日、東京ドーム) 大粒の汗を流しながら、懸命に投げた。メジャー初登板初先発。ドジャース・佐々木朗希は、3回を内野安打1本に抑える投球。だが制球に苦しみ、押し出しを含む5四球を与えた。自滅寸前までいきながら、…

 「カブス3-6ドジャース」(19日、東京ドーム)

 大粒の汗を流しながら、懸命に投げた。メジャー初登板初先発。ドジャース・佐々木朗希は、3回を内野安打1本に抑える投球。だが制球に苦しみ、押し出しを含む5四球を与えた。自滅寸前までいきながら、最後は気迫で切り抜けた。

 「反省点もあったんですけど、何とか自分らしく投げることができて良かったなと思います」。

 3点リードの三回だった。1死一塁から3連続四球で押し出しの1点を献上し、ファンの大きなため息が漏れた。ここから本領発揮。4番ブッシュを叫びながらの156キロ直球で見逃し三振。5番ショーも宝刀フォークで空振り三振。主軸を連続三振に仕留めてガッツポーズを作った。

 この日はストライク25球に対しボールは31球。試合前の投球練習で暴投を連発しその予兆はあった。初回は鈴木の初球にこの日最速の163キロを記録。空振り三振に仕留めるなど三者凡退。だが無失点に抑えた二回にも2四球を与えていた。「球速に関しては手応えを感じていました。制球は少し微妙なずれがあったので修正しないといけない」と自己分析した。

 ロバーツ監督は「朗希は非常に緊張していた。理解できることだ。球速は良かったが、コントロールがもう一つだった」と分析。「三回のピンチの場面を抑えることができたのは大きかった」と勝因の一つに挙げた。

 降板後にベンチ裏に引き揚げた朗希を、大谷が追いかけた。大谷は「気合も入っていて、ちょっと力も入っていたかなと思いますけど、球速も出ていましたし、粘り強いピッチングだったと思います」と後輩の投球を評価した。

 朗希にとって「学生の頃から目標にしてきた」というメジャーの舞台。そのデビュー戦を故郷・日本で迎えた。「ファンのみなさんが作ってくれた独特な、素晴らしい雰囲気の中で投げることができてよかった」と感謝の思いを明かした。

 メジャーでの第一歩を刻んで「国際大会で投げている感覚に近い。メジャーのいい打者に対して自分のパフォーマンスができてよかった」と手応えはある。次は米国での登板。「直球、フォークがどう通用するか」。自慢の武器で全米を沸騰させる。