「カブス-ドジャース」(19日、東京ドーム) ドジャースの佐々木朗希投手がメジャーデビューとなる先発マウンドに上がり、3回1安打1失点、5四球、3奪三振で降板。初回に163キロを計測するなど大器の片りんを示し、収穫も課題もあったマウンドだ…

 「カブス-ドジャース」(19日、東京ドーム)

 ドジャースの佐々木朗希投手がメジャーデビューとなる先発マウンドに上がり、3回1安打1失点、5四球、3奪三振で降板。初回に163キロを計測するなど大器の片りんを示し、収穫も課題もあったマウンドだった。

 初回、ハップに対し、初球、2球目といきなり160キロを計測すると、スタンドがどよめいた。さらに3球連続の160キロで左飛にねじ伏せると、打席には鈴木。初球に163キロをたたき出した。変化球を交えながら追い込むと、最後はインハイの159キロで空振り三振に仕留めた。

 タッカーにはスプリットから入り、159キロのストレートで中飛に仕留め三者凡退。ベンチでは大谷翔平投手も拍手を送った。佐々木が戻ってくるとハイタッチをかわした。直後に打線がキケ・ヘルナンデスの犠飛などで2点の援護点をプレゼントしてくれた。

 二回は先頭にストレートの四球を与えた。初めて走者を背負うと、ショウにカウント1ストライクからの2球目にピッチクロック違反をとられた。バットを折っての遊飛に仕留めたが、続くスワンソンにもボールが先行し、モーションを完全に盗まれて二盗を許す。さらに四球でピンチを拡大させた。

 それでも遊撃・ロハスがショートライナーを好捕。二塁走者が戻れずに併殺となり、鮮やかにピンチを脱した。直後にエドマンのソロが飛び出し、迎えた三回は1死からベルティを打ち取ったが打球が死んで三塁内野安打に。初安打を許すと、二盗を決められて得点圏に走者を背負った。

 ここから制球が定まらず、3連続四球で押し出し。メジャー初失点を喫した。スタンドからは大きな拍手が沸き起こり、「頑張れ!」の声援も飛ぶと本来の姿を取り戻した。ブッシュ、ショウを連続三振に仕留め、最少失点で切り抜けた。

 試合前のウオーミングアップでは大粒の汗を流し、ブルペンでもはやる気持ちを抑えるようにボールを投げ込んでいた。 最速163キロを計測した一方、完璧にモーションを盗まれて2盗塁を許すなどセットポジションに課題が生まれた。ただストライク率が50%以下と変化球のコントロールが定まらなくなっても、自慢のストレートが大きな武器になることも分かったゲームだった。

 佐々木は試合後、「試合を壊さずに終えられてよかった」と安堵感をにじませた。「反省点もあったんですけど自分らしく投げることができてよかった」と振り返り、次回登板へ「イニングをどんどん投げられるように。自分の持っているもの、ストレート、フォークがどう通用するか。あとは課題が出てくるので、シーズン終盤ではなくせるように、早め、早めに課題が出てくれればと思います」と前を向いた。