◆プロボクシング ▽WBC世界ミニマム級(47・6キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者メルビン・ジェルサエム―同級1位・重岡優大(30日、愛知県国際展示場) 前WBC世界ミニマム級王者で現同級1位の重岡優大(ワタナベ)が19日、都内の所属…

◆プロボクシング ▽WBC世界ミニマム級(47・6キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者メルビン・ジェルサエム―同級1位・重岡優大(30日、愛知県国際展示場)

 前WBC世界ミニマム級王者で現同級1位の重岡優大(ワタナベ)が19日、都内の所属ジムで、30日の世界戦に向けた練習を公開した。昨年3月31日にメルビン・ジェルサエム(フィリピン)に1―2の判定で敗れ、王座陥落してから1年後に巡ってきたリベンジマッチ。「ボクシング人生で一番悔しかったのがあの試合。リベンジのためにこの1年間やってきたことや、どんな気持ちでリングに上がっているのかが見て分かってもらえるようなボクシングをしたい。絶対に勝つと思っている。1秒も目を離せない、熱い試合をします」と闘志をみなぎらせた。

 この日はシャドーボクシングを2ラウンド行った後、サンドバッグ打ちを1ラウンド披露。腰の入った力強い左を打ち込んだ。ジェルサエム戦に向け、昨年8月の再起戦で対戦したWBO同級10位サミュエル・サルバ(フィリピン)、弟・重岡銀次朗(ワタナベ)が保持していたIBF世界同級王座に昨年3月に挑んだIBF同級5位ジェイク・アンパロ(フィリピン)ら世界ランカーと、週3回ペースでスパーリングを敢行。スパーがない日もマスボクシングを行い、毎日のように対人練習を重ねてきた。

 「課題だったディフェンス面にフォーカスして練習に取り組んできた。ステップワークもブロッキングもボディーワークも、全部足りていなかった。運動量は増えるが、これから先のボクシング人生において、僕のボクシングスタイルはこうなるべきなんだなっていうのが、ちょっとずつ見えてきた。対人で仕上げるのが感覚が合っていて、ディフェンスにフォーカスしてやってるからこそ、週に何十ラウンドもできている。ケガもなく、いい感じです」

 コンビを組む町田主計トレーナー(50)も「ディフェンス面をフォーカスしながらも、彼の最大の持ち味である攻撃力も伸ばしている。(この1年間で)精神的にも、人としても成長が見られた。技術もそうだが、人としての成長がボクシングの成長にもつながると思っている。そこの成長はうれしいです」と心身ともに重岡の成長を実感。この言葉に、重岡は「町田さんの思惑通り、誘導されているっていうのを理解はしている。手のひらの上で転がされにいってます」と照れ笑いを浮かべた。

 昨年8月の再起戦でサルバに判定勝ち。WBC1位に浮上し、王座奪還のチャンスをつかんだ。

 「リベンジマッチがどれほど難しいかは、アマチュアを100戦ぐらいやってきて身に染みているので、腹をくくっている。そこはマジで気合が入っている。これを乗り越えれば、さらに一皮向ける。自分にとっては、クリアしなければいけない大きな壁だと思う。やることはやってきたので自信はある。怖くはない。楽しみの方が大きいです」

 舞台は1年前と同じ愛知県。リベンジを果たし、1年間の進化を証明してみせる。

 戦績は重岡が10戦9勝(5KO)1敗、ジェルサエムが26戦23勝(12KO)3敗。

 試合はABEMAでライブ配信される。