◆2018年ロシア大会 常に“空中分解”の危険性をはらんだ道のりだった。八百長疑惑で契約解除となったアギーレ監督に代わって急きょ、15年3月に就任したのがハリルホジッチ氏だった。14年ブラジルW杯でアルジェリアを16強に導いた実績を買われた…

◆2018年ロシア大会

 常に“空中分解”の危険性をはらんだ道のりだった。八百長疑惑で契約解除となったアギーレ監督に代わって急きょ、15年3月に就任したのがハリルホジッチ氏だった。14年ブラジルW杯でアルジェリアを16強に導いた実績を買われたが、高圧的な口調と一方的に押しつける指導は選手たちに不評。「私はすべてを把握している」が口癖で、徹底管理も選手との溝を深め、最終予選に突入した。

 初戦は16年9月、ホームで格下UAEに屈辱の1―2で逆転負け。アジア最終予選初戦での黒星は当時W杯出場確率0%だったが、そこから何とか持ち直す。タイに2―0、続くイラク戦は後半AT、山口蛍の劇的な決勝弾で2―1勝利。その後も勝ち点を積み上げた17年8月31日、若手を積極起用してホームでオーストラリアに2―0。6大会連続のW杯切符をつかんだ。

 「日本国民全員の勝利だ」。団結をアピールした指揮官だが、思いがけない結末が待っていた。18年3月の欧州遠征は低調に終わった。不満を抱えていた選手たちは公然と批判を口にするようになり、日本協会は限界だと判断。ハリル氏はコミュニケーション不足を理由にW杯を2か月後に控えた4月、解任された。西野朗氏が新監督に就任した。