日本代表・森保一監督(56)の弟で、J2長崎のアカデミー(育成部門)でヘッドオブコーチングを務める洋さん(53)がスポーツ報知の単独取材に応じ、8大会連続のW杯出場に王手をかける森保ジャパンにエールを送った。(取材・構成=岩原 正幸) 洋…
日本代表・森保一監督(56)の弟で、J2長崎のアカデミー(育成部門)でヘッドオブコーチングを務める洋さん(53)がスポーツ報知の単独取材に応じ、8大会連続のW杯出場に王手をかける森保ジャパンにエールを送った。(取材・構成=岩原 正幸)
洋さんは、兄が率いる森保ジャパンが強豪ドイツ、スペインを破って16強入りした前回22年W杯カタール大会を現地視察し、長崎のアカデミーでコーチたちに現場で感じたことを伝えた。
「サッカーは世界一のスポーツだなと。ゴールを目指し、ボールを奪う局面の激しさ。子どもたちに伝えるためには、いつも指導しているコーチの存在が一番大切だと感じた」
選手育成に携わる洋さん、海外組を中心にトップ選手を束ねる森保監督。共通点は「周りの協力を得てつくり上げる」ことだという。
「日本が世界基準でどう戦うかを、兄はよく言う。最終的に掲げるW杯優勝に向けて、できることをやるというのはカテゴリーは違っても同じ。兄は『今の選手はすごい』と。『ポイチさん(森保監督の愛称)、(俺たち)世界で戦えます』と選手たちが言うみたい」
兄の「和」を重んじる原点は長崎で過ごした少年時代にあった。週末にはサッカー仲間、保護者らが森保家に自然と集まり、他者を尊重する姿勢が育まれた。
「受け入れる力。(兄は)人がどんどん入って、協力してもらうことが普通にできる。昔から変わらない。リーダーシップというより、フォロワーシップ。中学でもサッカー部がないところから(チームを)作ってもらい、いろんな方と出会って今がある」
前回の予選は苦しんで、森保監督自身も批判を乗り越えた。今回は一転、5勝1分けと圧倒的な力を示す。
「カタール大会の予選では、僕は初めて画面越しに泣きながら試合を見た。現場の兄は勝つという重圧が相当だったと思う。(見る方も)一戦一戦かなり力が入った。今回はインドネシアのアウェーのタフな環境で勝ちきるなど本当にすごい」
勝てばW杯が決まる20日のバーレーン戦。そして、1年3か月後の本大会での世界一へと突き進む。
「あと一つで(出場権を)ものにできるところまで来ている。超満員の中でクリアしてほしい。世界と戦う姿は全ての人に元気を与えてくれるし、子どもたちの目標でもある。僕は長崎から世界で活躍できる選手を育成していきたい」
◆森保 洋(もりやす・ひろし)1972年1月29日生まれ。53歳。神奈川、佐賀を経て長崎で育つ。小学生で兄・一らの影響でサッカーを始める。長崎日大高出身。J2鳥栖などでプレーし、2000年に引退。鳥栖のアカデミーダイレクターを務めた後、16年から長崎に在籍し、選手育成に携わる。