◆大相撲 ▽春場所10日目(18日、エディオンアリーナ大阪) 新横綱・豊昇龍が休場した。この日、日本相撲協会に「右肘関節内遊離体、頸椎捻挫で約2週間の加療を要する」との診断書を提出。師匠の立浪親方(元小結・旭豊)によると、先場所千秋楽で痛め…

◆大相撲 ▽春場所10日目(18日、エディオンアリーナ大阪)

 新横綱・豊昇龍が休場した。この日、日本相撲協会に「右肘関節内遊離体、頸椎捻挫で約2週間の加療を要する」との診断書を提出。師匠の立浪親方(元小結・旭豊)によると、先場所千秋楽で痛め、不安を抱えていた右肘が8日目の高安戦で悪化。9日目の夜に師弟で相談し、「(肘が)伸ばせない」との状態を踏まえ、決断したという。

 今場所は新横綱では1995年初場所の貴乃花以来となる初日黒星を喫するなど、苦しんだ。9日目に平幕の一山本に4敗目を喫し、新横綱の3つ目の金星配給は64年春場所の栃ノ海以来で4人目。昭和以降最多に並ぶ不名誉で、優勝も絶望的となっていた。新横綱の休場は39年ぶり6人目。立浪親方は「これ以上、ふがいない相撲は取らせたくなかった。こういう決断になり、協会とファンの皆さまに本当に申し訳ない」と頭を下げた。

 先場所は優勝決定ともえ戦を制し、綱取りを果たした。ただ、昇進前3場所の合計が33勝と過去の例より少なく、角界では時期尚早などと一部の反対意見もあった。厳しい視線に加え、一人横綱の重責も背負った25歳は場所前に「何が起きても休場しない。負けても休場しない」と宣言していたが、思いは実らず。師匠は「応援に応えたいとか理想の横綱像があって言ってしまったと思うが、言い過ぎたと後悔はしていると思う」と心情を察し、「次はさらに強くなる。そういう力はある」と夏場所での奮起に期待した。