「オープン戦、西武6-0広島」(18日、ベルーナドーム) 広島・二俣翔一内野手(22)がシーズンでも1番を担う可能性が浮上した。オープン戦では3試合目のトップバッター起用で、チームで唯一の複数安打。新井貴浩監督(48)は「あり得るよね」と…

 「オープン戦、西武6-0広島」(18日、ベルーナドーム)

 広島・二俣翔一内野手(22)がシーズンでも1番を担う可能性が浮上した。オープン戦では3試合目のトップバッター起用で、チームで唯一の複数安打。新井貴浩監督(48)は「あり得るよね」とシーズンでの同様の起用を示唆した。高卒5年目の若鯉が自身初の開幕スタメンどころか、開幕1番に抜てきされるかもしれない。

 試合開始早々、乾いた打球音が敵地に響き渡る。二俣は獲物を狙うような視線で速球を捉えた。初回無死。隅田の149キロをジャストミートして、左前に運んだ。「試合前の段階からしっかり準備して(初回の)打席に立てるので、思い切りいきやすい部分はあります」。トップバッターの利点を生かして結果につなげた。

 1番に起用された試合は、昨季は9月21日・巨人戦(マツダ)の1試合だけだった。今年のオープン戦は2月23日・巨人戦、3月12日・DeNA戦に続いて3試合目。いずれの試合も安打を放っており、特に12日は初回にケイの149キロを左前打にしていた。

 昨季、チームでは秋山が不動の1番打者として存在感を発揮した。新井監督は今季、二俣がトップバッターを務める可能性について「あり得るよね。パンチ力もあるし、1番だと自分の打席にフォーカスできる。いろんなことを考えなくてもいい打順だと思うから。その辺りも、いいのかなと思いながら」。制約のないポジションで若鯉の積極性を存分に生かす考えだ。

 六回1死は左腕・羽田に打ち取られたゴロで全力疾走して三塁への内野安打。上位打線を担う場合に武器となる俊足でも魅せた。

 チーム唯一の複数安打で、オープン戦は3試合連続安打。好調の裏には好打者からの助言があった。5日のDeNA戦で同じ右打者の宮崎に打撃のアドバイスを請うた。

 今オフは、2度の首位打者に輝いた球界屈指の好打者の打撃フォームを参考にして習熟度を高めてきた。踏む込む左足にも体重を乗せる意識を教わり、「今までは(体重は)右足に乗っていたけど、左足に乗っけている分、受け身にならず攻めにいける姿勢が打席の中で取れている」と効果を実感した。

 現状では、まだ開幕右翼争う立場。この日からは昨季の正右翼手・野間が1軍に合流。競争は激化している。「開幕スタメンを取りたいので、残り試合も結果を出してアピールしたい」と闘志を燃やした二俣。期待の成長株が、今季の赤ヘル打線の切り込み隊長として開幕戦を迎える可能性もある。