「カブス1-4ドジャース」(18日、東京ドーム) 独特の緊張感の中でも、堂々の投球を見せた。カブスの開幕投手を務めた今永昇太投手は、大谷を2打数無安打に抑えるなど、4回無安打無失点の好投。「いつもは失点を計算しながらマウンドに上がるが、今…
「カブス1-4ドジャース」(18日、東京ドーム)
独特の緊張感の中でも、堂々の投球を見せた。カブスの開幕投手を務めた今永昇太投手は、大谷を2打数無安打に抑えるなど、4回無安打無失点の好投。「いつもは失点を計算しながらマウンドに上がるが、今日は無失点にフォーカスしていた」。狙い通りゼロを並べた。
球場全体が息をのんで見つめた。異常なまでの静寂。注目の対決に視線が集中した。初回、先頭の大谷といきなり相対した。前日に「何を投げるかは言えない。25球目くらいなら言える」と笑いを誘っていた初球は、150キロのストレート。最後は同じく150キロの直球で、二ゴロに抑えた。
三回、大谷との2度目の対決では変化球を捉えられたが結果は二直。「鋭いスイングでしたし、1番打者で彼のような打者がいることは、すごく自分にとってタフだった」。2度のしびれる対戦を冷静に振り返った。
相手先発・山本とのメジャー史上初となる日本人同士の開幕戦の投げ合いにも意識はあった。「(山本は)自分のチームを鼓舞できる投手。点を与えると相手に流れを与えてしまう」。先に失点することだけは、絶対に避けようと考えていた。
最後は力を出し切った。1点リードの四回、2つの四球が絡み、2死一、三塁とピンチを迎えた。それでも「今日の調子ならこんなもんだと思っていた。次で勝負すればいいとマインドを切り替えた」とコンフォートを左飛に打ち取り、得点は許さず。胸に手を当てながら、ホッとした様子でマウンドを降りた。
ベンチに戻るとカウンセル監督と笑顔で握手。開幕戦できっちりと自身の仕事を果たした。4回69球での降板となったが、指揮官は「大体70球をめどに考えていた」と計算通り。「非常にいい投球をした。昇太はエクセレント。それに尽きる」と絶賛した。
チームは敗れたが、プレッシャーのかかる登板でさすがの投球を見せた。「試合に勝つことはできなかった。これはアメリカに帰ってチャレンジしたい」。今永の視線はすでに先を向いていた。