「選抜高校野球・1回戦、花巻東10-2米子松蔭」(18日、甲子園球場) 花巻東の出世番号を背負う赤間史弥外野手(2年)が乾いた快音を聖地に響かせた。初回1死一、二塁。黄色い木製バットを豪快に振り抜き、中堅手の頭を越える先制の適時二塁打とな…

 「選抜高校野球・1回戦、花巻東10-2米子松蔭」(18日、甲子園球場)

 花巻東の出世番号を背負う赤間史弥外野手(2年)が乾いた快音を聖地に響かせた。初回1死一、二塁。黄色い木製バットを豪快に振り抜き、中堅手の頭を越える先制の適時二塁打となった。

 「しっかり芯で捉えることができました。(17番をつけて)恥じないようなプレーをしようと思いました」。昨秋までは金属バットを使用していたが、3月の練習試合解禁前に木製バットに変更。「金属より打球が落ちてこない」とセンバツ直前に木で打つことを決断し、大舞台でいきなり2安打2打点と結果を残した。

 花巻東の背番号「17」は、ドジャースで活躍する大谷を筆頭にエンゼルスの菊池、スタンフォード大に進学した佐々木らが下級生時に着用。偉大なる先輩が通った“通過点”を赤間も歩んでいる。「生まれつきです」と野球選手では珍しい左投げ右打ちながら、外野手と投手を兼任。大谷の代名詞でもある“二刀流”で今大会は4番に座り、佐々木洋監督(49)も「期待を込めて17番をつけさせている」と背中を押す。

 大谷がカブスとのMLB開幕戦に臨む同日にチームは14安打10得点の大勝で初戦突破。夜は先輩の勇姿をテレビで見るかと思いきや、活躍直後の赤間は「テレビを見るより練習する」と当然のように言った。“練習の虫”であることも大谷ら先輩から自然と受け継がれてきたレガシー。生粋の野球小僧が次戦も聖地を沸かす。

 ◆赤間 史弥(あかま・ふみや)2008年7月25日生まれ、16歳。岩手県盛岡市出身。外野手、投手。180センチ、90キロ。左投げ右打ち。小学3年で野球を始め、黒石野中では盛岡北リトルシニアでプレー。花巻東では1年春に背番号「20」でベンチ入り。最速138キロ。50メートル走6秒4、遠投90メートル。高校通算11本塁打。