昨年11月に日本水泳連盟の競泳委員長に就任した倉沢利彰氏が18日、都内で取材に応じ、今夏の世界選手権(シンガポール)の代表選考を兼ねる日本選手権(東京アクアティクスセンター)の展望を語った。 銀メダル1個に終わったパリ五輪から、立て直しを…

 昨年11月に日本水泳連盟の競泳委員長に就任した倉沢利彰氏が18日、都内で取材に応じ、今夏の世界選手権(シンガポール)の代表選考を兼ねる日本選手権(東京アクアティクスセンター)の展望を語った。

 銀メダル1個に終わったパリ五輪から、立て直しを図る1年目。今年は多くの選手に海外レースの経験を積ませるため、代表入りに必要な派遣標準タイムを下げた。「国際大会を経験してほしい」と話し、「(代表チームは)36~40人の規模になると思う」と予想した。

 競泳ニッポン復活へ、すでに強化プランを思い描いている。今回の日本選手権で代表入りした全選手(海外拠点選手を除く)は、6月の東京都選手権(東京アクアティクスセンター)に出場予定。そこでは海外の選手村を想定し、あえて不自由なホテルに宿泊するという。

 倉沢氏によると、2段ベッドが2台ある4人部屋、2段ベッドが8台ある16人部屋など共同生活が前提となる施設。食事は十分なものが取れるが、湯船はなくシャワーのみで、夜は外出できないという。

 選手村で生活リズムが崩れ、万全のパフォーマンスが発揮できないことは五輪では十分に起こること。28年ロサンゼルス五輪まで時間がある今だからこそ、あえて過酷な環境に身を置いて選手に経験させておく。倉沢氏は「クレームは絶対出ると思いますけど、それも想定の範囲内」と笑いつつ、「予期せぬ事態で自分のパフォーマンスを発揮できることをシミュレートしたい」と話した。