◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」 学生時代の友は一生もの―。そう感じさせる対戦が大同生命SVリーグであった。1日、今季初対戦のサントリー―VC長野戦を取材した。サントリーの高橋藍(らん)、VC長野の中島健斗は東山高(京都)でエース、司令…

◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 学生時代の友は一生もの―。そう感じさせる対戦が大同生命SVリーグであった。1日、今季初対戦のサントリー―VC長野戦を取材した。サントリーの高橋藍(らん)、VC長野の中島健斗は東山高(京都)でエース、司令塔として2020年全日本高校選手権(春高バレー)を初制覇した盟友。23歳になった2人の対戦に注目するファンは多かった。

 昨年5月、高橋はサントリーの入団会見で対戦したい相手に、うれしそうに中島を挙げた。会見を生配信で見た中島は胸を躍らせた。だが、痛めていた右膝が悪化し「離断性骨軟骨炎」の診断を受けて同8月に手術を決断。全治は半年。車いす、松葉づえ生活のリハビリは壮絶なものだった。心の支えになったのが藍の存在で、半年後のサントリー戦で「藍と対戦する姿を見てもらいたい」と目標になった。

 超満員の観客1789人が集った復帰戦で、中島は第1セット途中にコートに入り、リーグデビューを飾った。「1年越しの試合。緊張した」。18得点でプレーヤー・オブ・ザ・マッチに輝いた高橋は「健斗がいたから、今がある」と語った。その言葉に中島は「僕の名前を出してくれるたびにありがたくて。遠く離れた存在になったと感じていたけど、話してみると、あの頃と変わらないかな」と笑顔で返した。

 私にも、同じマスコミ業界で働く友人がいる。ソフトボール部で日々のキャッチボールのペアを組んだ仲。彼女が書いた記事はネットで探して読むなど、今でも気になる存在だ。何歳になってもどこかで意識し、刺激し合える。ネットを挟んで対戦した2人を見て、言葉を聞いて、一生ものの関係性は本当にいいものだなと、改めて感じた。(バレー担当・宮下 京香)

 ◆宮下 京香(みやした・けいか) 2018年入社。22年までゴルフ担当、23年から卓球、バレーボールなど五輪競技を担当。パリ五輪を取材。