21年世界ユース選手権ライト級優勝などアマチュアボクシング9冠の堤麗斗(22)=東洋大=が18日、志成ジムからプロデビューすることを発表した。12年ロンドン五輪ミドル級金メダリストで元WBA世界同級スーパー王者の村田諒太、21年世界選手権…

 21年世界ユース選手権ライト級優勝などアマチュアボクシング9冠の堤麗斗(22)=東洋大=が18日、志成ジムからプロデビューすることを発表した。12年ロンドン五輪ミドル級金メダリストで元WBA世界同級スーパー王者の村田諒太、21年世界選手権金で13日にプロデビューした坪井智也(帝拳)に続き、史上3人目となるA級プロテストを受験する。5月ごろ、8回戦でデビューする予定だ。

 都内の同ジムで会見した堤は「小さい頃からプロの世界で戦うことを夢見ていた。世界チャンピオンは通過点。やるからには一番になりたい。最終的な目標はパウンド・フォー・パウンド(PFP、全階級を通じての最強ランキング)1位になることです」と力強く話した。

 21日の「LIFETIME BOXING FIGHTS 26」(東京・後楽園ホール)のメイン前に公開プロテストが行われ、元東洋太平洋&WBOアジアパシフィック・スーパーフェザー級王者の木村吉光(志成)とスパーリングを行う。同興行とプロテストの模様は、ABEMAで独占生中継される。

 志成ジムは、兄のWBA世界スーパーフェザー級4位の堤駿斗も所属しており、自身も東洋大1年時から同ジムでも練習してきた。「井岡一翔さんら尊敬できる先輩やいいチームメートがたくさんいる。佐々木修平トレーナーとも一緒にやっていきたい。練習環境が一番いいかなと思いました」

 自身は兄より1つ下のフェザー級を主戦場にする意向だ。「複数階級制覇もやっていきたいし、フェザー級で統一戦もしていきたい。まずはデビュー戦でしっかり勝って、日本だけじゃなく世界でも名前を知ってもらえるようにしたい。兄のことは尊敬しているが、いつか同じ興行でやるときはどちらがメインを張れるかというライバルでもある」

 将来的にフェザー級転向の可能性もある世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)とは、習志野高時代にスパーリングを行っている。「まだ本当これからなので言える立場じゃないが、やはりそこも見ていかなきゃけないところだと思う。今は目の前のことしか考えてないです」。一昨年には、米ラスベガスで世界3階級制覇王者シャクール・スティーブンソン(米国)、元3階級制覇王者ホルヘ・リナレス(ベネズエラ、帝拳)ともスパーリングを行ったという。

 デビュー戦の相手は、アジアランカーレベルの選手となる予定。「理想は10戦以内に世界に行きたいと思っている。デビュー戦は、日本だけじゃなくて世界にも『すげえやつ来たな』と思ってもらえるような試合をしたい。瞬発力、踏み込みの速さやパンチの切れが一番の持ち味。スピードを生かしながら、カウンターや切れのあるパンチで倒していきたい」。ゴールデンルーキーが、世界へ羽ばたく。

 ◆堤 麗斗(つつみ・れいと)2002年8月23日、千葉市生まれ。22歳。小5からボクシングを始める。全国U―15ジュニアで4連覇。習志野高時代は高校5冠達成(3年時は新型コロナの影響で3大会すべて中止)。東洋大進学後の21年、世界ユース選手権ライト級優勝。24年、全日本選手権同級優勝。アマチュア戦績は61戦59勝(15KO/RSC)2敗。身長165センチ。