広島の開幕右翼争いが熱い。攻守にわたって存在感を見せ続けている二俣翔一内野手(22)と、昨季の開幕右翼・田村俊介外野手(21)の若鯉コンビ、爆発力のある末包昇大外野手(28)に加え、18日・西武戦(ベルーナ)からは実績十分の野間峻祥外野手…

 広島の開幕右翼争いが熱い。攻守にわたって存在感を見せ続けている二俣翔一内野手(22)と、昨季の開幕右翼・田村俊介外野手(21)の若鯉コンビ、爆発力のある末包昇大外野手(28)に加え、18日・西武戦(ベルーナ)からは実績十分の野間峻祥外野手(32)が1軍に合流し、競争に参戦する。オープン戦は残り5試合。激戦の現状をデイリースポーツ広島担当・ 高橋涼太朗記者が整理する。

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 鯉の開幕右翼を射止めるのは誰か-。2月のキャンプから続く熾烈(しれつ)なバトルが、最終局面を迎えている。

 打撃で著しい成長を見せているのは5年目の二俣だ。実戦ではチームトップの4本塁打をマーク。オープン戦は12試合に出場し、無安打だったのはわずか3試合と安定感抜群で、新井監督も「ずっといいものを見せてくれている」と高評価を与えている。内野手登録だが、外野守備も問題ない。15日・ロッテ戦(マツダ)では計9度、飛球を処理した。開幕スタメンに向け、「何とか結果を出して生き残らないといけない。最後までアピールしたい」と二俣。育成出身の背番号99が、覚醒の気配を漂わせている。

 昨季、開幕右翼を務めた田村も黙っていない。2月のキャンプでは走塁練習時に左手を負傷。3月15日・ロッテ戦(マツダ)では体調不良で欠場するなど不運が続き、指揮官から「そういうのも実力の内」と厳しい言葉を浴びせられたこともあった。それでもオープン戦では4打席連続安打を記録するなど、打撃は好調。開幕後に調子を落とした昨季の反省を生かし、「1打席1打席考えながら打席に入りたい」とコンディションを整え、ラストスパートを狙う。

 チーム屈指のパワーを誇る末包も、必死のアピールを続けている。12日・DeNA戦(横浜)では、4安打の固め打ち。オープン戦では0本塁打と長打力を発揮できずにいるが、「打点を多く稼がないといけない」とここぞの場面で存在感を放っていく構え。開幕右翼については「もちろんそこを目指している」と、ライバルたちへの対抗心を燃やしている。

 この激しい競争に、満を持して参戦するのが昨季、右翼のレギュラーを務め、6年ぶりに規定打席に到達した野間だ。18日・西武戦(ベルーナ)から今年初めて1軍に合流する。14日から開幕したウエスタン・リーグの阪神戦(SGL)では、2戦で計6打数1安打。映像を確認した新井監督からは「しっかりといいパフォーマンスを出せている」と太鼓判を押された。実績は十分。あとは結果で示すだけだ。

 オープン戦は西武戦を含めて残り5試合。いよいよ決着の時が迫っている。