ボクシングの大橋ジムの大橋秀行会長(60)が17日、横浜市で取材に応じた。4団体統一世界スーパーバンタム級王者の井上尚弥(31)=大橋=が12月にもサウジアラビアで対戦する計画を立てているWBA世界フェザー級王者のニック・ボール(28)=…

 ボクシングの大橋ジムの大橋秀行会長(60)が17日、横浜市で取材に応じた。4団体統一世界スーパーバンタム級王者の井上尚弥(31)=大橋=が12月にもサウジアラビアで対戦する計画を立てているWBA世界フェザー級王者のニック・ボール(28)=英国=が15日(日本時間16日)、英国で行った同級6位のTJ・ドヘニー(38)=アイルランド=との防衛戦について言及した。

 ボールは10回終了TKOで撃破し、2度目の防衛に成功。ただ、前日計量から乱闘寸前までヒートアップしていた両者は試合でも熱くなり、初回、ボールがコーナーに追い詰めてゴングが鳴った後、組み合って離さないドヘニーに対し、下半身にローキック。さらに9回には相手を投げ飛ばして減点を食らうラフファイトぶりが波紋を呼んだ。

 大橋会長はボールの今回の“蛮行”について、「すごいねぇ。(井上はキックに対する)カットを覚えなきゃダメだね(笑)。蹴りは酷いなあ…」と苦笑い。「ただ、井上とはかみ合うんじゃないか。1ラウンド目から打ち合いになる」と好戦的なスタイルについては前向きに評した。

 ラフファイトについては「(井上の相手は怖くて)ああいう風にやってこれない。来ると倒されちゃうから。どこまで(好戦的に)来られるか見ものですけどね」と見解を示した上で、「(元K-1王者で現WBO世界バンタム級王者の)武居(由樹)がローキックのカットを指導します」と冗談で報道陣の笑いを誘った。

 尚弥は前日X(旧ツイッター)を更新し、「ボール君面白いやつだ とりあえず蹴っちゃダメだよ!!」とボールの蛮行をくさしながらも、改めて興味を示した様子。これに対し、ボールが尚弥の投稿を引用して「126ポンド(フェザー級)でキックする準備ができたら教えてください」と投稿。すると、尚弥もこれを引用し、英語で「私には2つ拳があれば十分です」と返した。さらに、ボールは「(対戦を)実現させて確かめてみましょう」と意欲を示し、尚弥は「その日が来るまでお互いの価値を高めていきましょう」とエールを送り、将来的な対戦の気運を高めた。

 尚弥は5月4日に米ラスベガスでラモン・カルデナス(米国)との対戦が正式決定。順調なら9月に日本でムロジョン・アフマダリエフ、その後はスーパーバンタム級のベルトは保持したまま、12月にサウジアラビアでボールのフェザー級王座に挑む計画を明かしている。