DPワールドツアー(欧州男子ツアー)を主戦場にする川村昌弘が年明けに両手首の手術を終えた。昨年9月の「アイルランドオープン」を最後に戦線離脱。長期の休養中にオペに踏み切り、現在は日本でリハビリに努めている。自身のコラムで近況を語った。◇ …

DPワールドツアー(欧州男子ツアー)を主戦場にする川村昌弘が年明けに両手首の手術を終えた。昨年9月の「アイルランドオープン」を最後に戦線離脱。長期の休養中にオペに踏み切り、現在は日本でリハビリに努めている。自身のコラムで近況を語った。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
プロゴルファーの川村昌弘です。
いま僕は日本にいます。
ご無沙汰しています。故障の影響で、昨夏にツアーを離れてから、もう半年が経とうとしています。昨年の後半は主に休養に充て、年明けに本格的な治療のため両方の手首を手術しました。医師や周りの方のおかげで、術後1カ月の今、ようやく先が見通せるようになりました。たくさんのサポートに心から感謝します。

半年前のリポートにも記した通り、僕はここ2年近く手首の痛みをごまかしながら転戦を続けてきました。その状態のままプレーすることもできましたが、失った飛距離やパワー、できなくなってしまった技術を取り戻すため、長期にわたる離脱を決めました。
最初の手術は1月中旬、左手首。TFCC(三角線維軟骨複合体)の損傷というゴルファーにとっては割とポピュラーなけがから回復を目指し、損傷部を縫合するオペを行いました。体験したのは人生初の全身麻酔!病院で点滴を打って待機しながら、「いよいよ病人らしくなってきた…」と思って手術台に乗せられたところ…気づいたら手術が終わっていました。約1時間が、ホントに一瞬。記憶にないのですが、術後は興奮したまま、ひとりで喋りまくっていたそうです。
ただ、キツかったのがそれから約2週間後。ひじの上まであったギブスを巻きなおすために再び病院を訪れた日です。自分で腕を洗えないほど、手首の奥がとにかく痛い。500mlのペットボトルよりも重いものは持たないようにと指示されるような状態ではありましたが、なにせギブスのありがたみ、偉大さを感じずにはいられませんでした。
右手首の手術は左手首のオペから1カ月後に行いました。こちらは骨と骨とを固定するような手術で、そもそも離脱の引き金になった患部の根治を目指すものです(右手首の痛みをかばううちに左手首も痛むようになりました)。主治医の方に言わせると、アスリートでも同じけがは格闘家以外では珍しいとのこと…。長年、ボールをクラブで殴り続けていた証明でもあるのでしょう。

2回目の全身麻酔も、これがまあ、よく効きました。それどころか麻酔を打つ前にベッドで4時間近く爆睡。看護師さんに起こされたと思ったらそのまま手術室に連れていかれ、口元に酸素マスクがついたと思ったら…やっぱり手術、終わってた。1回目の手術の倍、2時間以上もかかったのに「あれ、僕、麻酔しましたっけ?」なんて言う始末。こちらの傷口は左手に比べてなんとも生々しいのですが、無事に成功しました。
今はリハビリに励んでいて、3月下旬からようやくボールを打ち始めることができそうです。まずは手首を返す動作を極力少なくしたハーフショットから。それにしても、5歳でゴルフを始めてから今回が最も長いブランクです。いつもゴルフが生活の中心だったので、休養期間は本当に時間が長く感じます。ゴルフができないのは想像以上につらいことでした。
欧州ツアーへの復帰は8月の「オメガ ヨーロピアンマスターズ」を目指しています。大好きなスイスで転戦を再開させるつもり。ただその前に、他のツアーでのテストラウンドが認められており、日本でプレーしたいと考えています。カムバックまでまだやることはたくさん。皆さんの前でプレーできるまで、毎日を大切に過ごしたいと思います。