プロボクシングのWBA世界フェザー級(57・1キロ以下)タイトルマッチが15日(日本時間16日)、英リバプールで行われ、王者ニック・ボール(英国)が挑戦者TJ・ドヘニー(アイルランド)を10回終了TKOで下し、2度目の防衛を果たした。ボー…

 プロボクシングのWBA世界フェザー級(57・1キロ以下)タイトルマッチが15日(日本時間16日)、英リバプールで行われ、王者ニック・ボール(英国)が挑戦者TJ・ドヘニー(アイルランド)を10回終了TKOで下し、2度目の防衛を果たした。ボールは、世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が日本人史上初の5階級制覇を目指しフェザー級に進出した際のターゲットとされる。

 ボールはハイガードポジションから左ジャブをアグレッシブに突き、サウスポーのドヘニーを後退させた。1回終了のゴング後、ボールがドヘニーの右脚を蹴り、ドヘニーが倒れ込むシーンもあった。2回以降も、ボールのプレスにドヘニーは防戦一方。9回、ボールはドヘニーを投げ飛ばして減点1を宣告された。10回、ボールが猛攻撃を仕掛け、ドヘニーはふらふらになりながらもボディーワークで何とか切り抜けたが、終了後に棄権。ボールのTKO勝ちとなった。

 井上は5月4日に米ネバダ州ラスベガスのT―モバイル・アリーナで、WBAスーパーバンタム級2位ラモン・カルデナスの挑戦を受けることが決定。勝利すれば、9月14日に東京で、WBA同級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)と団体内統一戦を行うことが濃厚。12月には、サウジアラビアで同級の4本のベルトを保持したまま1試合限定でフェザー級に上げ、ボールと対戦するプランだ。

 ボールは、は22勝(13KO)1分け。身長157センチと小柄ながら、分厚い筋肉に覆われたフィジカルを武器にしたアグレッシブなスタイルで人気のハードパンチャー。昨年6月にレイモンド・フォード(米国)を2―1の判定で下してWBA世界フェザー級王者となり、10月にロニー・リオス(米国)を10回TKOで下して初防衛を果たした。

 井上と総額30億円(推定)のスポンサー契約を結んだサウジアラビア政府直轄プロジェクト「リヤド・シーズン」を主催する同国総合娯楽庁のトゥルキ・アラルシク長官は、「実現させたい夢のカード」として「井上VSボール」を挙げている。ボールも「井上が126ポンド(フェザー級)に上げてきたら、きっと対戦が実現する」と話している。

 元IBF世界スーパーバンタム級王者のドヘニーは昨年9月、有明アリーナで井上に挑戦するも、腰を痛めて7回TKO負け。今回の試合が再起戦だった。