楽天ドラフト1位の宗山塁内野手(21=明大)が、満点デビューだ。11日、沖縄・金武キャンプで初実戦となった練習試合・日本ハム戦(金武)に「1番遊撃」で先発出場。5回までプレーした。1回にファーストスイングで“プロ初安打”を放ち、5回にも中前…
楽天ドラフト1位の宗山塁内野手(21=明大)が、満点デビューだ。
11日、沖縄・金武キャンプで初実戦となった練習試合・日本ハム戦(金武)に「1番遊撃」で先発出場。5回までプレーした。1回にファーストスイングで“プロ初安打”を放ち、5回にも中前打を決めた。四球で出塁した3回は初盗塁。2打数2安打1四球1盗塁2得点と躍動した。併殺含む3度の守備機会も難なくこなし、走攻守で千両役者ぶりを発揮した。
◇ ◇ ◇
やはり、ただものではない。注目の初実戦。楽天の未来を担う背番号「1」らしく、宗山がファーストスイングで仕留めた。先頭で迎えた1回の第1打席。1ストライクから日本ハム根本の直球を、シャープなスイングで中前にはじき返した。「少しストレートに刺されて(詰まって)のヒットだった。もっと一発でコンタクトしていけるように。ヒットはヒットで良かったんですけど、もっともっといい対応ができたと思う」。反省も忘れなかった。
足でも魅せた。3回は四球で出塁し、続く小深田の3球目で二盗。「常に積極性を忘れないことと、暴走することはまた違う。冷静にいけるとこはいくという、攻める気持ちは忘れずにできた」。2死満塁から5番安田の2点適時二塁打で生還。初得点を刻んだ。
当初は2打席の予定だったが、3打席目も回ってきた。5回先頭でザバラの150キロ直球に力負けせず、再び中前へ。東京6大学リーグ歴代7位の118安打を誇る逸材が、いきなり2安打。「もっともっと長打だったりほしい。まだまだ」。求めるレベルは高い。
併殺を含め3度の守備機会も難なくこなした。「まだまだ普通の打球なので捕れて当たり前。逆にそこができなくなると、ショートってポジションは厳しい」。試合後は塩川コーチと特守に臨み、抜かりなかった。
完璧デビューの宗山だが“裏”の一面ものぞかせる。広陵(広島)、明大で主将を務め、しっかり者の印象が強い。だが、同期入団でドラフト5位の吉納翼外野手(22=早大)によると「いろいろ抜けているところがある」という。「電車の出口が分からないというのを宗山担当のスカウトの方から聞いた。一緒に入寮したときは大丈夫だったんですけど、いろいろ迷っている感じはあった」。グラウンドを離れれば普通の青年だ。
この一戦には6457人が来場。外野芝生席も開放され、立ち見も出るほどの盛況ぶりだった。「やっぱり試合になると楽しいですし、その環境というか、これが当たり前ではない。自分がしっかりプレーできてることを幸せに感じて、今、プレーできてると思う」。大物ルーキーが、華々しく滑り出した。【山田愛斗】