キム・イェジュン戦でも圧倒的な強さを見せつけた井上。(C)Lemino/SECOND CAREER プロボクシング世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)の声価は高まり続けている。 去る1月24日には、WBO世界同級11位のキ…

 

キム・イェジュン戦でも圧倒的な強さを見せつけた井上。(C)Lemino/SECOND CAREER

 

 プロボクシング世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)の声価は高まり続けている。

 去る1月24日には、WBO世界同級11位のキム・イェジュン(韓国)に4ラウンド2分25秒でKO勝利。下馬評は決して高くはない相手ではあったが、終始主導権を握り続ける圧倒的な試合内容によって、「モンスター」の格はまた一つ上がった感がある。

【動画】井上尚弥、電光石火のKO劇! 韓国のキム・イェジュンを沈めた戦慄の右ストレート

 試合後に今後2試合を米国とサウジアラビアで実行することを明言した井上。そうした背景もあり、彼に対する国際的な関心は高まっている。

「多くのファンが『こんなに小さなファイターが、どうしてこんな怪物のようなパワーを持つのか』という想いに駆られたのは、遠い昔のことではない」

 そう記したのは、英ボクシング専門サイト『Boxing News 24』のマニー・デルガド記者だ。彼は井上をクローズアップしたコラム内で合計26人ものファイターたちをキャンバスに沈めてきた図抜けたパワーを次のように表現している。

「画面を通しても感じられるほどの強烈なパンチは、対戦相手を痛みで悶絶させる。最悪の場合、相手はキャンバスにうつ伏せになり、まるで貨物列車に轢かれたような感じで倒れこむ」

 一方でデルガド記者は「彼の特質はパワーだけではない」とも指摘。そして「軽量階級においてイノウエの怪物的なパワーは別格だ。しかし、驚異的なスピードとパンチの正確性、そして非の打ち所のないテクニックもある。彼はボクサーに必要なほぼすべての特性を備えている」と井上の偉才ぶりを絶賛した。

 異次元の強さを教示し続けている井上。いまだ天井知らずで突き進む怪物のキャリアを「歴史はまだ作られている最中だ」と伝えるデルガド記者は「まだ誰にも征服されていないモンスターを止め、その支配を終わらせる男など現れるのだろうか」と無敗伝説が継続していく未来を予想した。

 すでに周知の通り、25年内は本格的な海外進出が見込まれている。まずは4月か5月にWBCスーパーバンタム級1位アラン・ピカソ(メキシコ)と、そして今年の秋か冬にサウジアラビアで、現WBA暫定王者のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)との統一戦が有力視されている。

 果たして、環境が変わる中で井上は強さを維持できるのか。異能の怪物の今後から目が離せない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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