コリン・モリカワは最新テクノロジーへのアップグレードを急ぐタイプではない。特にドライバーはその傾向が顕著だ。昨年は多くの大会をテーラーメイドQi10 LSドライバーでプレーしたが、それ以前は古いモデルを使用していた。しかし、ことしは違った…

コリン・モリカワが開幕戦「ザ・セントリー」で新ドライバーを投入した※写真は「ザ・セントリー」

コリン・モリカワは最新テクノロジーへのアップグレードを急ぐタイプではない。特にドライバーはその傾向が顕著だ。昨年は多くの大会をテーラーメイドQi10 LSドライバーでプレーしたが、それ以前は古いモデルを使用していた。

テーラーメイドの新作「Qi35 LSドライバー」(GolfWRX)

しかし、ことしは違った。今季開幕戦「ザ・セントリー」でテーラーメイドの最新モデル「Qi35 LSドライバー」を実戦投入。優勝した松山英樹に次ぐ2位だったモリカワは、ストロークゲインド:オフ・ザ・ティで7位、フェアウェイキープ率(49/60)で2位、ドライビングディスタンス(289.6ヤード)で9位に入った。

新機種を早速取り入れたモリカワだったが、最適なヘッドを見つけるまで約2カ月を要した。単純にモデルやロフトとの相性を図るだけではなく、プレーや自身の感触が重要になるからだ。

モリカワは「見た目がとびきり良くて、かつフェースの芯で打てるヘッドを見つけるのは大変なことなんだ。全く同じヘッドでも、ウェイトの具合によって少しずつ違いがあるんだよ」とこだわりを話す。

見た目としてはスクエアを好む。「僕はスクエアに見えないと、正しいスイングをしようとして手や体でクラブを操作してしまう。そこをクリアすれば、あとは打ち出しとスピン量だけだね。通常は打ち出しが低すぎ、スピンが多すぎるんだ。だから打ち上げようとはせず、いつも通りのスイングを維持しながら、いかに打ち出し角を上げるかという話になる」

入念なテストを経て投入となった(GolfWRX)

最適なセットアップを見つけ出すには、複数回のフィッティングと、数種類のプロトタイプを必要とした。

テーラーメイドの開発担当者は、「フィッティングでは、Qi35 LSヘッドに搭載された3つのウェイトが最大の要素となりました。我々は当初、ウェイトのポジションを通常の出荷状態となる3-3-13(グラム)にセットし、ロフトを9.25度へ下げ、その後、ウェイトを同じ重量に揃え、ポートを8-8-8にセットしつつ、中心にホットメタルを入れました」と話す。

「昨年の11月初旬に再び同じセットアップでテストし、結果は上々でした。その後、11月下旬に9.5度と9.8度の異なるロフトにセットされたものを渡しました。ウェイトはニュートラルを維持するため8-8-7にセット。彼はそれを使ってさらにテストをしました」

「12月初旬にかけて、我々はヘッド特性を維持しつつ、ベストなオプションを見つけるため、さらにいくつかのヘッドを彼へ送りました。最終的にはロフト角9.5度のスタンダードセッティングで、ニュートラルのウェイトに落ち着きました。彼はこのLSで多くの練習を積み、かなり安心して使える状態で開幕戦に臨みました」

大型のヘッドでも操作性が担保され、かつ寛容性が高いことから、ツアーでは低スピンヘッドの使用率は減少傾向にある。モリカワがLSを選ぶ理由は何なのか。

開発担当者は説明する。「モリカワはいつも見た目の小さいヘッドに引かれます。彼は自分に古典的なやり方を課していて、フェースの芯で打たなければならないようにしたいのです。彼はフェードを打つことのできる低スピンヘッドを必要としています」

「Qi10と比較すると、打ち出しは25%ほど高く、スピン量は100rpmほど高くなりました。モリカワがこれまで使用していたドライバーのスピン量は2200~2300でしたが、彼は2400あたりまで上げることを望んでいました」

モリカワが開幕戦を通算32アンダー2位で終えたことは、Qi35 LSドライバーにとってうれしい出だしとなった。

(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)