ベルギーGPのローテーション開催に(C)Getty Images F1は2028年から隔年開催のグランプリを盛り込んだローテーション開催を導入する見通しとなった。その端緒となったのが名物セクションのオールージュで知られるスパフランコルシャン…

ベルギーGPのローテーション開催に(C)Getty Images

 F1は2028年から隔年開催のグランプリを盛り込んだローテーション開催を導入する見通しとなった。その端緒となったのが名物セクションのオールージュで知られるスパフランコルシャンサーキットで開催されるベルギーGPだ。2031年まで開催契約を延長したものの、28、30年は除外となっており、F1側の意向に添った変則契約となった。同GPは選手からの評判はいい半面、常に赤字開催だったことからやり玉に挙がったともいえる。

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 スペインGPも26年から10年間の長期契約でマドリードに特設される準市街地サーキットに移ることになったが、バルセロナ近郊にある現ホストサーキットのカタルーニャサーキットも継続開催に意欲的で、こちらも隔年開催に移行する可能性もある。このほかエミリアロマーニャGPを実施しているイタリアのイモラサーキットもローテーション開催に組み込まれる可能性もある。

 F1は年間24戦が限界とされるが、現状では既存のグランプリを含めて35か所が将来の候補地とされ、アフリカのルワンダやエナジードリンク「レッドブル」の発祥の地でもあるタイが新規開催に名乗りを上げており、南アフリカ、韓国、マレーシア、トルコなど過去に開催実績のある国も復活開催を目指しているという。

 隔年開催について日本GPはどうか。F1関係者は「日本GPは毎年行う前提となっている」としている。

 ただし、開催サーキットを1か所に絞るかの言及はない。日本GPを実施している鈴鹿サーキット(三重県)は29年まで開催契約を延長したが、今年4~10月に開催される大阪関西万博(大阪・夢洲)の跡地にサーキット建設計画があることが明らかになり、F1招致も目指している。このため、30年以降については鈴鹿と大阪で交互にF1を実施することはできなくもない。

 実際に2007、08年と富士スピードウェイ(静岡)で日本GPが行われたものの、10年以降は鈴鹿との隔年開催になっていた。最終的に富士側が開催を返上したために再び鈴鹿での単独開催に戻ったが、ローテーション開催に積極的に動いている現状を見据えると、日本もその流れにあらがうことはできないとみられている。

 ただ、隔年開催がうまくいかなかった例はある。世界ラリー選手権は09、10年にローテーション制を取り入れ、2年間で24戦を隔年で開催する新機軸を取り入れたが、11年からは年間13戦の通常カレンダーに戻った。当時北海道を舞台に開催されたラリージャパンもローテーション開催の影響で09年は開催されなかった。

 世界の各地にF1を浸透させるという壮大な計画は理解できる。が、もともとは欧州を中心に世界選手権が実施されてきた歴史もある。かつての定番だったフランスGP、ドイツGPが行われておらず、今後はスパでの開催がないシーズンも出てくる。これではモータースポーツの世界最高峰といいながら、箔(はく)が付かなくなるような気もするが…。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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