イチロー氏はわずか1票足りず、満票得票とならなかった(C)Getty Images 2025年の米野球殿堂入りが現地21日(日本時間22日)に発表され、資格1年目のイチロー氏(マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)が、日本人初の殿堂入…

イチロー氏はわずか1票足りず、満票得票とならなかった(C)Getty Images

 2025年の米野球殿堂入りが現地21日(日本時間22日)に発表され、資格1年目のイチロー氏(マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)が、日本人初の殿堂入りの快挙を達成した。

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 イチロー氏はオリックスからポスティングシステムを利用してメジャーに挑戦。2001年のルーキーイヤーに打率・350、56盗塁の成績で首位打者と盗塁王に輝くと、当時、メジャー史上2人目となる新人王とシーズンMVPの快挙を成し遂げた。その後も2004年にはMLBのシーズン最多安打記録となる262安打をマークするなど数々の記録を打ち立てた。この記録は現時点でも破られていない。

 その後も1年目から10年連続で200安打、ゴールドグラブ賞を受賞と日米通算4367安打、まさに前人未踏、メジャーでも確固たる足跡を残した。

 また今回の殿堂入りの注目ポイントとなったのはマリアノ・リベラ以来、MLB史上2人目、野手史上初の満票で殿堂入りを果たすかという点。期待は高まったが、結果は得票率99.7%とわずか1票届かない形となった。
 
 イチロー氏自身はこの点に関して「1票足りなかったのはすごく良かった」と不完全なほうが前に進む原動力になると寛容な姿勢を示すも、収まらないのは米球界に関わる人々だった。

 前人未踏の記録の重さを知るだけに取材に関わる米記者の間からは「イチローに投票しなかったのは誰だ?」と犯人探しともいえる騒動にまで発展している。

 また当事者からも異論の声が出た。

 イチロー氏ともマリナーズでプレー、日本球界においてもオリックスで2シーズンを過ごしたアダム・ジョーンズ氏が自身のXを更新。自身は資格初年度を迎えた今回の投票で0・8%の得票があったことを示した上で「おいおい、僕に投票した、誰か知らない人物がイチローに投じなかったんだな(笑)」とイチロー氏に投票しなかった人物に対し、皮肉めいた口調で語った。

 さらにジョーンズ氏は「この投票用紙に名前が載るだけで光栄」としながら、今回殿堂入りを果たしたヤンキースなどで活躍通算251勝をマークしたCC.サバシア、通算422セーブを記録したビリー・ワグナー氏、またイチロー氏の3人に対し「君たちは最高の中の最高だよ」とコメントした。

 米殿堂入りは全米野球記者協会に所属し、10年以上のキャリアを持つ記者に投票権が与えられる。有資格者から最大10人まで投票可能で75%以上の得票で殿堂入りとなる。

 イチロー氏は日本の野球殿堂入りの際も満票とならなかったことは話題を呼んだが、米球界の殿堂入りもわずか1票の差で満票を逃がしたとあって、ハレーションは当分収まりそうにない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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