野球殿堂博物館の表彰委員会は16日、今年の野球殿堂入りのメンバーを発表。競技者表彰のプレーヤー表彰として、オリックスで一時代を築き、MLBマリナーズでも歴史的な活躍を見せたイチロー氏が選出された。 イチロー氏は史上7人目となる候補者入り1…
野球殿堂博物館の表彰委員会は16日、今年の野球殿堂入りのメンバーを発表。競技者表彰のプレーヤー表彰として、オリックスで一時代を築き、MLBマリナーズでも歴史的な活躍を見せたイチロー氏が選出された。
イチロー氏は史上7人目となる候補者入り1年目での選出。有資格者の投票で75%以上の得票が必要となる中、90%超の支持を得たという。現役時代の輝かしい実績だけでなく、引退後は日本で学生野球資格を回復して高校野球の指導も行っている。
さらに毎年行っている女子野球選手とのエキシビションマッチなど、日本球界への貢献度は計り知れない。それも候補入り1年目での選出、さらに高い得票率につながったとみられる。
イチロー氏は2019年、東京ドームで行われた現役最後の試合を終え、これだけの足跡を残したことに「野球のことを愛したことだと思います。これは変わることなかったですね」と明かした。そして「子供のころからプロ野球選手になることが夢で、それがかなって、最初の2年ぐらいは1軍に行ったり、来たり。仰木監督に出会って、レギュラーで初めて使っていただいたわけですけど。この年まででしたね。楽しかったの。後は何かね、その頃から急に番付上げられちゃって、一気に。もうずっと、それはそれはしんどかったです」と率直な心境を明かしていた。
「将来はまた楽しい野球をやりたいなというのは皮肉なもので、プロ野球選手になりたいという夢がかなった後に、そうじゃない夢が存在したんですよね。中途半端に過ごした人間には、おそらく待っていないもの。草野球に対して、やっぱりプロ野球でそれなりに苦しんだ人間でないと、草野球を楽しむことはできないのではないかと思う。これからはそんな野球をやってみたいなと思いますね」と語っていたイチロー氏。その思いを今、後進に伝えている。“野球の伝道師”としての姿はこれからもきっと、変わらない。