県内で複数のスポーツチームと行政による取り組みが活発化している。このほど設立式を行った浜松市と、昨年12月に第1回検討会議を開いた県などの動きを紹介する。 スポーツ文化都市を目指す浜松市が着手したのは「はままつインクルーシブスポーツ連携プ…

 県内で複数のスポーツチームと行政による取り組みが活発化している。このほど設立式を行った浜松市と、昨年12月に第1回検討会議を開いた県などの動きを紹介する。

 スポーツ文化都市を目指す浜松市が着手したのは「はままつインクルーシブスポーツ連携プラットフォーム」。まだ聞き慣れない言葉だが、障害の有無、年齢、性別などに関係なく、誰もが平等に楽しめるスポーツ環境やスポーツを生かした街づくりを指す。

 10日の設立式では賛同した16団体が発表された。ジュビロ磐田、ベルテックス静岡、静岡ブルーレヴズ、東レ静岡など各競技のチームに加え、障害者サッカー3チーム、eスポーツチームも参加。磐田・浜浦幸光社長は「“横連携”で発信力を高めて、誰もがスポーツをできる環境づくりをしたい」と語った。アドバイザリーサポーターとして常葉大、電通東日本なども参画。「産学官民」の4者で約2年かけて、異分野融合による地方創生を進める。

 県が目指すのは、スポーツによる地域と経済の活性化だ。各プロスポーツが盛んになり、「見る」だけでなくビジネスとしても拡大。国ではスポーツ産業の市場規模を15年の5兆5000億円から、25年には15兆円まで増やす戦略を掲げている。それに呼応して、県では「しずおかスポーツ産業ビジョン策定検討会議」を昨年12月に初開催。委員として磐田、清水、ベルテックス、レヴズの各社長も名を連ねた。今夏までに「10年後の県が目指すべき姿」の具体策をまとめる。

 また県では、主にプロの18チームと連携しており、昨年から企業とのマッチング支援も始めている。静岡市でアリーナとサッカー場、浜松市では野球場と大規模施設建設の構想がある。スポーツが生み出す「感動」だけでなく、「経済効果」にも目を向ける時代に入ってきた。(武田 泰淳)