◆テニス ▽全豪オープン 第4日(15日、オーストラリア・メルボルン) 【メルボルン15日=吉松忠弘】シングルス女子で、2度の全豪優勝を誇る世界ランキング51位の大坂なおみ(27)=フリー=が、3年ぶりの3回戦進出を決めた。23年全仏準優勝…
◆テニス ▽全豪オープン 第4日(15日、オーストラリア・メルボルン)
【メルボルン15日=吉松忠弘】シングルス女子で、2度の全豪優勝を誇る世界ランキング51位の大坂なおみ(27)=フリー=が、3年ぶりの3回戦進出を決めた。23年全仏準優勝で同20位のカロリナ・ムホバ(28)=チェコ=に1―6、6―1、6―3の1時間57分で逆転した。3回戦では東京五輪金メダルで、元世界4位のベリンダ・ベンチッチ(27)=スイス=と対戦する。初戦を大逆転で6年ぶりに突破した男子の錦織圭(35)=ユニクロ=は、2回戦で敗れた。
3本目のマッチポイント。大坂は、無我夢中でロブを上げた。絶妙な高さからラインに乗り、返球されるがアウト。大坂は勝利を手にして無邪気な子どものように小躍りした。「全力を尽くした。最初の1ポイント目からタフだった」。大苦戦と振り返った第1セットを失ってから、圧巻の逆転劇だ。
ムホバは大坂の最も苦手なタイプだった。多彩な球種を絡め、ネットもこなす。昨年の全米2回戦でも敗れていただけに「せっかく最高のウェアを着た昨年の全米では、つぶされた。今日はちょっとしたリベンジよ」と口も滑らかだった。
第1セットは1ゲームしか奪えなかった。ベンチで大坂は自分に言い聞かせた。
「遠慮なんかするな。もっと自分を信じて」
ようやくラケットを振り切れた。第1サーブの最高速度は、第1セットの時速167キロから、第2セットは185キロにアップした。同じく60%台だったリターンの返球率も81%に上昇。パワーだけでなく、安定感も増した大坂は無敵状態となった。
第2セット以降、一度もサービスゲームを失わず。それでも「(最初は)準備ができていなかった。消極的にならないように気をつけないと」と反省を忘れなかった。
次戦の相手は、産休で世界ランクは294位と落ちているが、元4位のベンチッチが待つ。1回戦のガルシアも元トップ10で、タフな組み合わせにも「大舞台の方が燃える。相手が強い選手の方が、タイタン(巨神兵)の戦いみたいで面白いわ」。いよいよ、大坂節も絶好調だ。