【ランス(フランス)14日=豊福晋】フランス杯ラウンド32で日本代表のMF伊東純也とMF中村敬斗が所属するSランスはホームで同代表のMF南野拓実が所属するモナコと対戦し、PK戦の末3―1でSランスが次ラウンド進出を決めた。中村と南野は先発…

 【ランス(フランス)14日=豊福晋】フランス杯ラウンド32で日本代表のMF伊東純也とMF中村敬斗が所属するSランスはホームで同代表のMF南野拓実が所属するモナコと対戦し、PK戦の末3―1でSランスが次ラウンド進出を決めた。中村と南野は先発フル出場、伊東は後半30分までプレーした。

 90分間を1―1で終え迎えたPK戦、コーチに1番手のキッカーであることを伝えられた中村は、伊東にどこに蹴るかを相談したという。

 「純也くんにどっちに蹴ったらいいかなって。でも、どっちでもいいっしょみたいに方向を教えてくれないから、結局自分で決めて左に蹴った。決められてよかった」

 重圧のかかる1本目を決めた中村は、ホームサポーターの集うスタンドを見つめ激しく両手を振り上げて鼓舞。雰囲気に飲まれたか、モナコは1人目のキッカーに続き、2、3人目までも連続で失敗。流れは完全にSランスのものになっていた。

 「流れを絶対に作らなきゃと思った。変なことは考えずに、打つコースも決めて。強く、速ければ入ると思っていた。後半は押されてて、なんとかPK戦に持っていければと考えていた。モナコは強い相手だし、カップ戦に関しては勝てばいいってことですね」

 この日の中村のポジションはセンターフォワード。右ウイングの伊東と決定機も作った。前半7分、連携から伊東がゴール正面からシュートもやや左に。伊東は「シュートの場面はちょっと狙いすぎました。あそこは決めなきゃいけなかった」と悔やむが、“9番”中村の姿は常に視野にとらえている。

 「敬斗が1トップになって、いいタイミングでパスを受けてくれるので、そこに出すというところは意識しています。コンビネーションとか、近い距離でのワンツー。そういうのは良かった。個人的には6点がシーズン最高記録なので、今季はあと3点取れれば」

 Sランスはリーグ戦ではここ6試合勝利から遠ざかっている。主力選手の放出も決まるなど、不安要素が多い中で格上を破った。ロッカールームからSランスの選手たちの叫び声が漏れるなか、伊東は「なんか騒いでましたね。今日勝ったのはやっぱりでかいんじゃないですかね。若い選手たちは気持ち的に。俺は、特に何も変わっていないですけど」と淡々と久々の勝利を振り返った。