「大相撲初場所・3日目」(14日、両国国技館) 新弟子らによる前相撲が始まり、元名横綱のおいっ子対決が実現した。叔父に元横綱朝青龍、いとこに大関豊昇龍を持つ天狼星(18)=錣山=が、元横綱武蔵丸(現武蔵川親方)を伯父に持つ光武蔵(19)=…
「大相撲初場所・3日目」(14日、両国国技館)
新弟子らによる前相撲が始まり、元名横綱のおいっ子対決が実現した。叔父に元横綱朝青龍、いとこに大関豊昇龍を持つ天狼星(18)=錣山=が、元横綱武蔵丸(現武蔵川親方)を伯父に持つ光武蔵(19)=武蔵川=の突き、押しをしのいで突き倒し、白星デビューを飾った。横綱の遺伝子を持つ新たな力士が、プロの第一歩を踏み出した。
全力を出せたからか、ようやく土俵に立てたからか。国技館を出る光武蔵は「楽しいです」と笑顔で取組を振り返った。
立ち合いから伯父のような突っ張りを展開。最後は突き落とされたが、見応えのある攻防だった。「親方からはまわしを取っちゃダメと。もっと頑張ります。親方は稽古場、トレーニングでは厳しいです」と語った。
武蔵川親方は「相手をずっと前に置かないとダメだ」と弟子の相撲を評価。それでも「部屋に入って1年半。やっと初土俵だよ。モチベーションを保たせるのが大変だけど、それも師匠の責任」と感慨を口にした。
光武蔵は23年8月に来日。部屋で研修をしながら日本語などを学び、日本相撲協会の面接に合格し新弟子検査を受けることになった。興行ビザ取得にも時間を要した。
米国ハワイで生まれ育った光武蔵は伯父と同じ高校でアメフトを経験。「(相撲の稽古は)指が(突き指しそうで)怖い。トレーニングが全然違う」と苦労も多いが、毎日の稽古後にてっぽうを300~400回行い、突き押しを磨いている。好きな食べ物は豚骨ラーメンで、昨年の九州場所中には「替え玉を6回しました」という。
希望に燃える19歳。「光武蔵のしこ名はカッコイイです。あしたも頑張ります」と前を向いていた。
◆光武蔵(ひかりむさし) 本名アイルア・ダニエル。2005年11月7日生まれ、米国ハワイ出身。伯父は武蔵川親方(元横綱武蔵丸)、兄は元幕下武蔵国。母は親方の妹ルアさん。181センチ、129キロ。ワイアナエ高ではアメリカンフットボールのDLとしてプレー。23年8月に来日して入門。好きな食べ物はラーメンで、特に豚骨がお気に入り。