大役全うへ、神のおぼしめしに従います-。日本ハム金村尚真投手(24)が14日、北海道・北広島にあるエスコンフィールドで自主トレを公開した。今季初めて開幕投手を務める右腕は年末年始に帰省した沖縄で初詣。おみくじは大吉で「先輩に頼れ」と書かれて…
大役全うへ、神のおぼしめしに従います-。日本ハム金村尚真投手(24)が14日、北海道・北広島にあるエスコンフィールドで自主トレを公開した。今季初めて開幕投手を務める右腕は年末年始に帰省した沖縄で初詣。おみくじは大吉で「先輩に頼れ」と書かれていた通りに開幕投手の先輩となる伊藤の力も借りながらレベルアップ中。開幕戦だけでなく、シーズンを通してチームを引っ張れるように万全の調整を進めていく。
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金村はちゅうちょなく先輩に尋ねた。「スライダーやカット系が少し苦手なので、そこは(伊藤)大海さんに聞いて試行錯誤しながらやりました」。具体的にはカットボールを投げる際の意識。「右バッターで言うと外角、左バッターだと内角」をターゲットにして投げることで「曲げようとしてないけど勝手に曲がる」。失投する確率を減らすための技術的なアドバイスをもらった。
大役全うへ、こうした積み重ねも大事になる。正月に地元沖縄の波上宮(なみのうえぐう)に初詣。おみくじは大吉で「『先輩に頼れ』って書いてあった」。昨年12月に北海道へ引っ越し。練習環境も充実する本拠地を自主トレ拠点に決めた理由は「大海さんがいるから」。最良の選択だったのは神様からのメッセージで確信。「今年はたくさん先輩に頼ろうかなと思う」と笑顔で明かした。
昨季終了直後には別の開幕投手の先輩にも助言を受けていた。「鎌ケ谷で、たまたま金子さんに見てもらう時間があったのであらためて教えてもらった」球種がチェンジアップ。オリックス時代に6度の開幕投手を務めた金子2軍投手コーチの宝刀を教わり、今オフは完全習得に励んでいる。「真っすぐと回転が一緒で真っすぐより来ない、奥行きで勝負する」新球も加われば投球の幅も広がる。
もちろん先輩に頼るだけではない。新庄監督から早々に開幕投手として発表されたことで、自身の意識も変わった。「オフは『ちょっと休める』『1月になったらちゃんとやればいいか』みたいな甘い考えがあったけど、そこは変わりました」。確かな自覚を持って取り組む今オフの自主トレは順調そのものだ。
そろそろブルペン投球も始めたいが、そこも開幕白星を挙げた先輩の助言に従うつもり。「大海さんが『まだ早い』って言うので」と沖縄・名護での先乗り自主トレで解禁予定だ。「やっぱ開幕は絶対に勝ちたい。シーズンでは規定(投球回)に乗せて2桁(勝利)が目標」。背中を追いたい先輩たちのように、頼もしく独り立ちする1年とする。【木下大輔】