死闘の末のPK決着で全国制覇――。サッカーの第103回全国高校選手権の決勝が13日、東京・国立競技場であり、前橋育英は流通経大柏(千葉)を1―1(PK9―8)で下して、7大会ぶり2度目の優勝を果たした。劇的な決着に、スタンドは歓喜に包まれ…
死闘の末のPK決着で全国制覇――。サッカーの第103回全国高校選手権の決勝が13日、東京・国立競技場であり、前橋育英は流通経大柏(千葉)を1―1(PK9―8)で下して、7大会ぶり2度目の優勝を果たした。劇的な決着に、スタンドは歓喜に包まれた。
過去最高の5万8千人が声援を送った国立競技場。前橋育英のスタンドには、前年の主将を務めたGK雨野颯真さん(18)がいた。1―1で延長戦に突入すると、「接戦も勝ちきれる力を持っている。厳しいゲームもものにしてくれると信じています」とエールを送った。
試合は延長から、PK戦へ。両校の応援席は固唾(かたず)を飲んでキックを見守った。バス14台で詰めかけた育英の生徒らはGK藤原優希選手(3年)に「頼むぞ!止めてくれ!」と声援を飛ばした。最後のキッカーとなるMF柴野快仁選手(2年)が決勝点となるゴールを決めると、応援席の生徒たちは「ほんとに優勝したんだ!」と歓喜に沸き立った。
応援席で声援を送った部員のFW平野凌羽(りょう)さん(3年)は、2年生のときに右足のけがで半年サッカーができず、メンバーに入れなかった。優勝を決めた選手たちを見つめ、「自分が出られない悔しさもあったけど、ライバルだった選手たちが頑張って、この景色を見せてくれた」と目を潤ませた。(中沢絢乃)
群馬県の山本一太知事は「全国大会優勝おめでとうございます。持ち前の『人とボールが動くサッカー』で幾多の強豪との激戦を勝ち抜いて2度目の選手権制覇を達成されました。選手の皆さん、県民に大きな感動をありがとう!」とコメントした。
同校OBでザスパ群馬の細貝萌ゼネラルマネジャーは「私が現役の頃にできなかった全国優勝を成し遂げた皆さんの勇姿は群馬出身としても心から誇りに思います。これからも、サッカーを通じて群馬を共に盛り上げていきましょう」とコメントした。(伊藤悟)