高校ラグビーの聖地・東大阪市花園ラグビー場(大阪府東大阪市)で5日、第17回U18合同チーム東西対抗戦が開かれた。西軍(25人)のメンバーとして、松江高専(松江市)のラグビー部員で3年の檜谷耕太郎さん(17)が島根県内から唯一出場。緊張し…

 高校ラグビーの聖地・東大阪市花園ラグビー場(大阪府東大阪市)で5日、第17回U18合同チーム東西対抗戦が開かれた。西軍(25人)のメンバーとして、松江高専(松江市)のラグビー部員で3年の檜谷耕太郎さん(17)が島根県内から唯一出場。緊張しながらも全力でプレーし、チームの勝利に貢献した。

 いつものようにスタンドオフであることを示す背番号10のユニホームを着て、花園のグラウンドに立った。「まさに夢見た場所だった」

 前半の30分間は、「意地と意地のぶつかり合いの肉弾戦が続いた。タックルに入ることが多く、いつもと違う動きになった」。緊張していたこともあり、トライ直後のコンバージョンゴール(ゴールキック)を失敗した。「あっという間に30分が過ぎた。15人でラグビーができる喜びを感じ、とても楽しかった」

 西軍は前半を5―0で終え、檜谷さんが退いた後半にも4トライを挙げるなどし、27―14で勝った。

 檜谷さんは昨夏、長野県・菅平高原で催されたU18の合同チーム大会に、中国ブロック代表チームのスタンドオフとして全4試合で出場。チームは3敗1引き分けだったが、四国ブロック代表との試合では、1トライ、1ペナルティーゴールを決め、チームの全得点を1人で挙げた。4試合を通じて「反省の方が多かった」が、代表チームのMVPに選ばれた。

 松江市在住。小学3年の時、友だちに誘われ、小学生対象の「松江ラグビースクール」の練習を見学した。タックルにびっくりしたが、実際にやってみると楽しかったという。中学校時代は「島根ジュニアラグビークラブ」でラグビーを続けた。高校は部活動でと思い、自宅から通うことができ、ラグビー部がある松江高専に進んだ。

 スタンドオフは司令塔と呼ばれる。スクラムを組むフォワードの8人と、背後のバックスの動きや連係をコントロールしながら、ゲームを組み立てる。檜谷さんは「キックでチームを前に進めるのが得意」といい、相手の防御の穴をつくことやロングパスにも自信を持っている。松江高専ラグビー部顧問の山口剛士・准教授(37)も「キック力がある。スペースを見極め、アタックできる力を持っている」と評する。

 部員は現在12人。試合ができるよう、4年生になる4月から部員集めに力を入れる考えだ。フィジカル強化にも努めたいという。182センチ、80キロだが、「僕も含め、(ラグビー選手としては)みんな体が小さいので」。今後の目標は高専の全国大会進出。「東西対抗戦の経験を生かし、キックを決めたい」(石川和彦)

 東西対抗戦 15人制で実施される都道府県の新人大会などに単独チームの一員として出場できなかった選手のうち、全国高校合同チーム大会に出場した選手の中から選ばれた50人が、東軍と西軍に分かれて戦う。「もう一つの花園」とも呼ばれる。