◆第59回シンザン記念・G3(1月13日、中京・芝1600メートル、良) 第59回シンザン記念・G3は13日、中京・芝1600メートルで行われ、3番人気のリラエンブレムが重賞初制覇を決めた。無傷2連勝でのVは、昨年のノーブルロジャーに続き3…
◆第59回シンザン記念・G3(1月13日、中京・芝1600メートル、良)
第59回シンザン記念・G3は13日、中京・芝1600メートルで行われ、3番人気のリラエンブレムが重賞初制覇を決めた。無傷2連勝でのVは、昨年のノーブルロジャーに続き3年連続4頭目となった。歴代2位の5勝目となった浜中俊騎手(36)=栗東・フリー=は「本当に強いの一言」と絶賛。クラシックも視野に入れており、3歳牡馬路線に新星が誕生した。
一瞬でねじ伏せた。ラスト2ハロン。中団につけていた浜中とリラエンブレムの目の前にはアルテヴェローチェがいた。内に進路を取ると、手綱を動かした後に左ステッキを4発。振り下ろすたびに加速する。馬体を併せる時間すら与えない。先頭に立つと、手綱の激しい動きに呼応するような弾む走りで突き放す一方。2馬身半の着差以上のインパクトを残し、重賞初制覇を決めた。
検量室前に引き揚げてきた浜中は両腕を突き上げ、全身で喜びを表現した。このレースは8勝の武豊に続く単独2位の5勝目。それよりも将来性あふれる若駒との出合いが何よりうれしかった。「本当に強いの一言です。直線に向いてからは抜いてからというより、抜くまでが速かった」と笑みを浮かべた。
大切に育ててきた。武幸調教師は言う。「トモ(後肢)が甘くて、返し馬でも大丈夫かなと思うぐらいです」。初戦から今回まで、2か月半空いたのも焦らずに態勢を整えるため。しかし、浜中には確かな手応えがあった。「とにかく脚が速い。デビュー前の稽古から、その印象を強く持っていて、期待していたんです」。デビュー前には2回、この中間は当週まで3週連続で追い切りに騎乗。密接にコンタクトを取り、ダイヤの原石を丁寧に磨き上げた。
馬優先で仕上げる形は今後も変わらない。「勝ってくれたから、(賞金加算できて)時間を取れるのが一番いい」とトレーナー。次戦は慎重に選択されるが、視線の先にはクラシック路線も映っている。浜中も「距離は融通が利くと思います。まだまだ奥がある。これからが楽しみです」と先を見据えた。クロワデュノールが頂点に立つ3歳牡馬路線。冬の尾張で強烈な新星が誕生した。(山本 武志)
リラエンブレム 父キズナ、母デルフィニア2(父ガリレオ)。栗東・武幸四郎厩舎所属の牡3歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算2戦2勝。総獲得賞金は4879万5000円。重賞初勝利。馬主は(株)Gリビエール・レーシング。