広島の秋山翔吾外野手(36)が13日、静岡県下田市の吉佐美運動公園で行っている自主トレを公開した。昨季はゴールデングラブ賞を獲得し、158安打で最多安打のタイトルに5本差の3位だった。それでも4月に37歳を迎える15年目のベテランは、チー…
広島の秋山翔吾外野手(36)が13日、静岡県下田市の吉佐美運動公園で行っている自主トレを公開した。昨季はゴールデングラブ賞を獲得し、158安打で最多安打のタイトルに5本差の3位だった。それでも4月に37歳を迎える15年目のベテランは、チーム内での立ち位置に「危機感」を強調。世代交代の波にもあらがい、一線級で戦い抜く覚悟を語った。
海辺のグラウンドで打って投げて駆けた。右膝の手術明けだった昨年の同時期とは強度は段違いだ。雲一つない暖かな日差しの下、今年で9年目を迎えた下田市での自主トレを公開した秋山は「長い期間お世話になってきて、長く現役でいて下田で自主トレをすることが一番意味のあることだと思う」と自らの役割と、プロであり続けることへの意欲を再確認した。
4月に37歳を迎える中、年齢を重ねることに対する重みは変わってきた。昨季は広島移籍後最多の138試合に出場して打率・289、4本塁打、30打点。最多安打のヤクルト・長岡と5本差の158安打を放った。西武時代の19年以来7度目で、史上10人目の両リーグでのゴールデングラブ賞も獲得。今季はNPB史上最年長での最多安打のタイトル獲得も期待されるが、口を突いて出たのは自身の立ち位置への危機感だった。
「キャリアを積んできた人たちも、1軍にみんないれるという空気感では、もうなさそうだなっていう言葉が監督から出ている。去年やったから今年も大丈夫みたいな考えは正直持てない。もうよっぽど怖さの方があるんで。危機感がある。これが正直な話ですかね」
新井監督は「今年は昨年以上に若い選手にチャンスが来る年」と話すなど、世代交代を推し進めようとしている。同程度の力なら若い方が起用されやすい世界。それは秋山自身も身をもって知っている。「役割が薄くなっていって、若い選手に淘汰(とうた)された人は何人も見てきている。そういう意味であらがっていきながら、引っ張っていきながら。かなり緊張感があります」と引き締まる心境を明かした。
今回の下田自主トレでは下半身強化に主眼を置いて、走り込みや大股でのティー打撃を行い、シーズンを戦い抜く土台づくりに励んでいる。「とりあえず結果を出す。この年齢(36歳)の人間という姿を見せたくない。まだ一線で引っ張って、中心でやっていきたい思いが強い」。今オフは強い危機感もにじませてバットを振り込んでいる。日米通算2000本安打まであと206本と節目も見えてきた。申し分ない実力と経験を持つベテランは、若手にとってさらに高い壁になろうとしている。