「和歌山グランプリ・G3」(13日、和歌山) 12Rで決勝戦が行われ、昨年のKEIRINグランプリ(静岡)を制した古性優作(33)=大阪・100期・SS=が最終2角6番手からまくり返して1着。和歌山記念は連覇、昨年9月の富山記念以来となる…

 「和歌山グランプリ・G3」(13日、和歌山)

 12Rで決勝戦が行われ、昨年のKEIRINグランプリ(静岡)を制した古性優作(33)=大阪・100期・SS=が最終2角6番手からまくり返して1着。和歌山記念は連覇、昨年9月の富山記念以来となる通算13回目のG3優勝を飾り、賞金520万円を獲得した。先行した和歌山勢を分断し、最終2角から番手まくりを敢行した松本貴治(愛媛)が2着、椎木尾拓哉(和歌山)に絡まれながらも、松本をしっかり追いかけた山田英明(佐賀)が3着に入った。

 古性が今年も和歌山記念を制して最高のスタートを切った。だが、表情は明るくない。「合宿した影響で、前検からずっと疲労感が抜けなかったですね」。そんな中でも王者の貫禄を見せつけ、Vゴールを駆け抜けた。

 レースは赤板過ぎに古性-山口富生(岐阜)がいったん出切るが、外から松本-山田が踏み上げると、空いた内を菅田壱道-大槻寛徳(ともに宮城)が踏んで、古性は下げざるを得なくなる。打鐘前に石塚輪太郎(和歌山)-東口-椎木尾が猛然とスパート。出切っていた松本が飛び付いて東口と競りに。古性は菅田を制して6番手を確保し、満を持して最終2角からまくり上げる。競り勝って番手まくりを敢行した松本がいい感じで踏んだが、ジワジワと外を仕掛けてきた古性がゴール前でとらえ、和歌山記念連覇を達成した。

 昨年の決勝戦は寺崎浩平(福井)に前を任せ、東口が後ろを固める布陣で、自身が優勝してのワンツースリーで決着した。今年は和歌山勢と別で戦うことを選択。「石塚君もこれからの近畿勢を背負っていく選手ですからね。愛を持って好勝負をしたかったです」。力で制圧したが、真っ向勝負をできなかったことを少し悔やんでいた。

 合宿などでは古性を頼ってくる選手が他地区からも集まってきた。同期の阿部力也(宮城)もその1人で「冬季移動で大阪に来てはるんですよ。1カ月くらいでどんどん強くなって…。大阪に移籍したらいいのにと思いますね。いいところはパクらせてもらっています」と語っていた。

 好スタートを切っただけに、今年もグランプリ制覇の期待が懸かる。「G1の決勝に乗って、そこでしっかり優勝したいですね。付いてきてもらえば2着はあると思われたら、近畿勢からグランプリに出る選手も増えますから」とニヤリ。「記録は塗り替えられるためにあるんですから、自分の記録をどんどん更新したいです」。自身が持つ公営競技年間最多獲得賞金額の記録更新へ、4億円超えを狙って突き進んでいく。