上沢の移籍をめぐって今オフは様々な声が飛び交った(C)産経新聞社 今オフ、大きく注目を集めたのは上沢直之のソフトバンク移籍にもあった。 日本ハムからポスティングシステムを利用しながら、わずか1年で日本球界に復帰。実質FAとなったことでソフト…

上沢の移籍をめぐって今オフは様々な声が飛び交った(C)産経新聞社

 今オフ、大きく注目を集めたのは上沢直之のソフトバンク移籍にもあった。

 日本ハムからポスティングシステムを利用しながら、わずか1年で日本球界に復帰。実質FAとなったことでソフトバンクと4年の大型契約を結んだ。またロッテにおいても以前からメジャー志望を明らかにしていた佐々木朗希がプロ5年目、23歳シーズンオフにポスティングでメジャー挑戦を目指している。

【ポスティング&現役ドラフト制度】佐々木朗希がメジャー移籍!上沢の日本球界復帰!現役ドラフト&トレード組の活躍!現場のコーチはどう考えてたのか聞いてみた!【プロ野球】

 近年は国際大会も活発となり、メジャーとの距離が近づく中、NPBの選手においても海外FA権取得前に早期挑戦を訴える声が各球団、相次いでいる。一方、ポスティングシステムの行使には各球団ごとの判断となり、温度差も生じている。

 ポスティングシステムに関しては球界内からも様々な考察の声が出ている。

 現役時代は大洋(現DeNA)で活躍、引退後は日本代表コーチも務め、現在は野球解説者として活躍する高木豊氏は12日に自身のYouTubeチャンネルを更新。「【ポスティング&現役ドラフト制度】佐々木朗希がメジャー移籍!上沢の日本球界復帰!現役ドラフト&トレード組の活躍!現場のコーチはどう考えていたのか聞いてみた!【プロ野球】」と題した動画を更新。2024シーズン限りで中日のヘッドコーチを退いた片岡篤史氏をゲストに招き、今オフの動きに独自の見解を語っている。

 日本ハムOBでもある片岡氏はポスティングシステムに関して「これはちゃんとしたルールを設けないと、どんどんどんどんそんなん出てくると思いますよ」とコメント。

 同氏は現役引退後、阪神、中日のコーチも歴任。現場目線の話として「多分、突然じゃなくて、2、3年前からその話はしてるでしょう」と球団側も本人の意思は年度ごとに確認しているはずとしながら、さらに背景には「行きたいっていうのに対して、あまり止めるっていうことはなくなってきてますよね」と時代も変わってきていると指摘。

 「今、何でもそういう時代になってきたんじゃないですかね。本人の希望とか夢を止めちゃいけないような感じあるんじゃないですか」と語り、世の中の風潮も変化してきているとした。

 そういった時代背景において、球団運営の難しさも考察。「逆に(球団が)今度止めたらね、止めた方が悪いっていうふうに今なるじゃないですか。じゃなくて、こんなルールあるんだよっていうことは取り決めておかないと、おかしくなっていってしまいますよ」とあらためてポスティングシステムの整備の必要性を訴えた。

 1998年に「日米間選手契約に関する協定」で導入された同制度をめぐっては球団によってのスタンスも違い、運用においても様々な波紋を呼んでいるため、「12球団で統一したルールを設けるべき」「海外FA取得1年前など、認める年数を決めるべき」といった声もあがっている。

 大谷翔平などの活躍もあり、メジャー球団側も日本人選手獲得に向ける熱も高まっている。日本球界を”草刈り場”にしないためにも、ルール整備が急務となりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

【関連記事】なぜ新庄監督は上沢直之に苦言を呈したのか ポスティングシステムが直面した"曲がり角"

【関連記事】「上沢選手は何も悪くない」上原浩治氏、話題を呼んでいるポスティングシステムに一石「12球団が統一したルールを作るべき」

【関連記事】「育成のソフトバンク」に何が起きているのか 育成ドラ1選手入団辞退の背景にあるもの 球界OBからは「埋もれるし、やる気もなくす」