広島の大瀬良大地投手(33)が12日、マツダスタジアムで自主トレを公開した。昨年9月の自身とチームの失速を糧に今オフは休日を例年から半減させて筋力強化を実施中。強い反骨心と向上心をにじませ、自身6度目の開幕投手にも意欲を見せた。世代交代の…
広島の大瀬良大地投手(33)が12日、マツダスタジアムで自主トレを公開した。昨年9月の自身とチームの失速を糧に今オフは休日を例年から半減させて筋力強化を実施中。強い反骨心と向上心をにじませ、自身6度目の開幕投手にも意欲を見せた。世代交代の流れに待ったをかけ、3月28日・阪神戦(マツダ)のマウンドに立ってみせる。
大瀬良の脳裏には刻み込まれている。年も明けて、充実した表情で練習する中でも根底にあるのは屈辱の思いだ。「(昨季は)チームとして悔しい最終盤になった。オフもずーっとこびりついて離れませんでしたし、そう思うと休んでる暇はないなと思った」。チームが昨年9月に喫した月間20敗。その苦しみを燃料としてハードトレーニングに励む姿があった。
思いを行動に移した。例年は3勤1休ペースで行うオフのトレーニングを今オフは6勤1休にした。着手したのは最大筋力の向上。「これまで90とか100の力で投げていたボールを70、80の力で投げる。体の負担を減らしていくところを考えて取り組んでいる」と明かした。
昨季は防御率1・86の好成績を残すも9月は0勝3敗、防御率5・31で失速した。その反省を踏まえ、トレーナーに相談してウエートトレーニングの種類を増やした結果、練習日も自然と増えた。元日も休むことなく汗を流し、「これまでの取り組み方とは全然違う。(ウエートは)種類も一度に覚えられないくらい。中身の濃いメニューを組んでもらっている」とうなずいた。
見据えるのは自身6度目となる開幕投手。今季の先発ローテは大瀬良、床田、森下が軸となる。年下の2人も開幕投手への意欲を見せている中、「目指してもいいかなと思えるほどの成績を昨年は残せたと思うので、権利みたいなものはあるかな」と客観的に自らの立ち位置を見つめた。
思いをさらにかき立てているのは新井監督の発言。オフに入って今季の若手積極起用の方針を打ち出している指揮官の言葉に「若手にどうのこうのみたいなのはよく話されていますので。ただ、僕たち上の年代の人間もそこにあらがって負けたくないなという思いもあります。だからこそ(開幕戦のマウンドに)立ちたい」と対抗心を燃やす。
3月28日に行われる阪神との開幕戦の舞台は本拠地・マツダスタジアム。前田健太とともに同球場歴代最多タイとなる45勝を挙げている右腕は「それは(単独)1位になりたいですね!せっかくなら」と笑顔を見せた。12年目となる今季。最高の始まりと終わりを迎えるべく、進化することを止めない。