阪神の門別啓人投手(20)が12日、北海道の門別総合町民センターで行われた「日高町二十歳を祝う会」に出席。同じ左腕のドラフト1位・伊原陵人投手(24)=NTT西日本=に闘志を燃やし、藤川阪神初の対外試合となる2月15日の練習試合・楽天戦(…

 阪神の門別啓人投手(20)が12日、北海道の門別総合町民センターで行われた「日高町二十歳を祝う会」に出席。同じ左腕のドラフト1位・伊原陵人投手(24)=NTT西日本=に闘志を燃やし、藤川阪神初の対外試合となる2月15日の練習試合・楽天戦(宜野座)での“開幕投手”に名乗りを上げた。初勝利を挙げてローテ入りした上で、6月の交流戦で凱旋(がいせん)登板することも目標に掲げ、色紙には「新人王」としたため、勝利を届けて地元に恩返しすることを誓った。

 胸元のネクタイのように真っ赤な炎が心に宿った。迎えた人生の節目の日。門別は少し大人びた表情で、ドラ1左腕に闘志を燃やした。

 「(意識するところは)あります。絶対負けたくないので。負けないように頑張ります」

 同じ左投手のライバルとなるのがドラフト1位の伊原だ。藤川阪神初の対外試合となる2月15日の練習試合・楽天戦(宜野座)での“開幕投手”に名乗りを上げた左腕に負けじと、力強く宣言した。「先発で投げられるように頑張ります」。昨年の春季キャンプでも初の対外試合となった2月17日の練習試合・楽天戦(宜野座)に登板。3回無失点に抑えたが、その時は3番手だった。今年はいきなり先発して存在感を示したい。

 「勝負の年」と位置づける高卒3年目の今季。目標は尽きない。昨季は2試合に先発も白星が遠かった。「まだ勝ちを味わったことがないんで『まず1勝をあげたい』っていう気持ちを忘れないでやっていければ」と一番に目指すのは初勝利だ。

 その上で「1軍スタートするのが当たり前にできるようにやっていかなきゃいけないし、しっかり今年ローテに入っていかないと」と気合。「10勝に近づくためには、20試合以上登板しないといけない」と具体的な数字も掲げた。

 地元への思いも原動力となっている。昨季、日高町では門別が先発した2試合でパブリックビューイングが開催されたが、勝利を届けられなかった。「やってもらってるのに勝ててないので、勝てるように頑張っていきたいなと思います」と今年こそ初勝利、そしてさらに白星を重ねて地元の人たちを喜ばせたい。

 6月にはエスコンフィールドで日本ハムとの交流戦も行われる。そこで投げたいかと問われると、「はい」と即答。ローテ入りして凱旋登板を果たせば、何よりの恩返しとなるに違いない。帰省後は大みそかも元日も休まず練習。雪の上を走り込み、昨年より投げ込みも増やして体力強化に励んでいる。

 二十歳の誓いとして、色紙には「新人王」としたためた。これは伊原もかねて掲げている目標。負けるわけにはいかない。この日は地元の同級生と再会し「懐かしいメンバーに久々に会えた」とパワーももらった。地元の応援も力に、飛躍の一年とする。(山村菜々子)

 ◆門別の凱旋登板VTR 2024年3月2日、札幌ドームでのオープン戦・日本ハムに先発。父・竜也さん、母・実保さん、恩師の東海大札幌・大脇英徳監督、友人が駆けつけて声援を送る中、初回は2三振を奪う上々のスタート。しかし二回、2死二塁から田宮の左前適時打を浴びて先制点を献上した。四回にも1死一、二塁のピンチを迎えたが、浅間、江越と続けて左飛に打ち取った。右打者の内角攻めの判定が厳しく苦しむ場面もあったが、投球数59で四回2安打1失点、4奪三振にまとめた。