<大相撲初場所>◇初日◇12日◇東京・両国国技館綱とりがかかる大関豊昇龍(25=立浪)が快勝発進した。過去10勝9敗の大関経験者、霧島と対戦。立ち合いで左をのぞかせ、すかさず右上手をつかむと、じわじわ圧力をかけて寄り切った。先場所は千秋楽相…
<大相撲初場所>◇初日◇12日◇東京・両国国技館
綱とりがかかる大関豊昇龍(25=立浪)が快勝発進した。
過去10勝9敗の大関経験者、霧島と対戦。立ち合いで左をのぞかせ、すかさず右上手をつかむと、じわじわ圧力をかけて寄り切った。
先場所は千秋楽相星決戦の末、大関琴桜に敗れて13勝2敗の優勝次点。それでも今場所は、琴桜とともに綱とりの位置付けで、横綱同時昇進となれば、70年春場所の北の富士と玉の海以来、55年ぶり6例目となる。ただ、優勝に準ずる成績でも横綱昇進の可能性がある琴桜に対し、豊昇龍は優勝が絶対条件といえる。平成以降に誕生した11人の横綱で、昇進直前に2場所連続で優勝を逃した例はない。23年名古屋場所以来、2度目の優勝へと突き進むつもりだ。
今場所前の充実ぶりは目を見張った。稽古始めとなった3日の出羽海一門連合稽古は16戦全勝、6日の稽古総見は琴桜、大の里の両大関を相手に12勝4敗など、仕上がりの良さを披露していた。昨年末には「狙います」と、横綱昇進への思いを堂々と話すなど、気力も充実。相撲だけに集中させる意味を込めて、師匠の立浪親方(元小結旭豊)の配慮で、この日から今場所中の朝稽古は、報道陣シャットアウトで行われることも決まった。周囲も、綱とりに向けて全面バックアップ体制が敷かれている。
今場所前に豊昇龍は「番付は大関で終わりじゃない。もちろん上を目指して頑張る、1日1番に集中すれば、優勝はついてくる。稽古してきたことを信じてやる」と、力強く話していた。苦し紛れに投げを打ち、墓穴を掘っていた過去とは決別。昨年9月の秋場所後、立浪親方から基礎運動の重要性を説かれ、特にてっぽうは1日500回を目安に続け、突き、押しの力とともに、前への推進力がついた。
満を持して迎えた初の綱とり場所。2日目は、初日に大関大の里を相手に波乱を起こしたくせ者の前頭翔猿を迎え撃つ。