第103回全国高校サッカー選手権大会は11日、東京都新宿区の国立競技場で準決勝があった。前橋育英は東福岡に3―1で勝利した。決勝は13日午後2時5分、同会場で前橋育英と流通経大柏(千葉)が争う。 前半11分、東福岡に先取点を入れられ、前橋…
第103回全国高校サッカー選手権大会は11日、東京都新宿区の国立競技場で準決勝があった。前橋育英は東福岡に3―1で勝利した。決勝は13日午後2時5分、同会場で前橋育英と流通経大柏(千葉)が争う。
前半11分、東福岡に先取点を入れられ、前橋育英は今大会で初めて先行される。前半は立ち上がりからペースを奪われ、シュートを打てなかった。
後半3分、前橋育英はFW佐藤耕太選手(3年)が相手守備にプレッシャーをかけ、自身の足に当てて跳ね返ったボールを相手守備の後ろに回り込んで拾う。そのままゴールエリアに侵入し、左足で押し込み同点。後半9分には、FWオノノジュ慶吏(ケリー)選手(3年)のパスを受けた佐藤選手がゴールポスト際に逆転ゴールを決めた。
後半13分には、後半から出場したMF白井誠也選手(2年)が相手陣でボールを奪うと、鋭いドリブルで中盤まで攻め上がり、オノノジュ選手からの折り返しを受け3点目を決めた。白井選手のプレーは会場をひときわ沸き立たせた。
「強烈なツートップ」(東福岡の平岡道浩監督)と評される前橋育英のオノノジュ選手と佐藤選手。昨年の高円宮杯U―18プレミアリーグのEASTではオノノジュ選手が10得点で得点王に輝き、佐藤選手は9得点を挙げた。
だが、今大会が始まり、オノノジュ選手が4得点して注目を集める中、佐藤選手は初戦の米子北戦以後、得点を挙げられていなかった。「試合でケリーが点を取るとうれしい反面、どこか自分の中では苦しい気持ちもあった」。
この日の相手は、ここまで無失点で勝ち上がってきた東福岡。「1点取られて動揺したのか、相手の守備が崩れていった」と佐藤選手。その乱れを突いて追加点も挙げ、チームを決勝へ導いた。試合直後、佐藤選手は「少ないチャンスだったけど、点を決められてうれしい」と晴れやかに答えた。
同校としては、高校サッカー憧れの舞台の国立競技場で初の勝利。「観客が多くてはじめは緊張したけど、やっているうちにサッカーが楽しくて緊張が飛んでいった。それに、応援の声を聞いてたら、情けないサッカーしてらんないなって」
いよいよ決勝の舞台に臨む。「これまでケリーに頼ってばっかりだったから、自分がチームの頼りになる存在になって、勝ちたいです」(中沢絢乃)