冬の県王者を懸けた戦いが開幕。1回戦32試合が行われた。全国高校選手権で8強入りした静岡学園の新チームは三島北と対戦し、シュート15本を放って5―0で快勝。FW上田悠世(2年)が3得点と活躍して、新エースに名乗りを上げた。常葉大橘は9―1…

 冬の県王者を懸けた戦いが開幕。1回戦32試合が行われた。全国高校選手権で8強入りした静岡学園の新チームは三島北と対戦し、シュート15本を放って5―0で快勝。FW上田悠世(2年)が3得点と活躍して、新エースに名乗りを上げた。常葉大橘は9―1で三島南に大勝。2回戦16試合は12日に行われる。

 全国選手権準々決勝で東福岡に敗れてから、ちょうど1週間。静学が5ゴールを挙げて、新たなスタートを切った。レギュラーを務めたGK有竹拓海とMF篠塚怜音(ともに2年)は疲労を考慮して休養した中、強烈にアピールしたのが背番号9のFW上田だ。

 序盤からエンジン全開で走り回った。ゴール前に顔を出して積極的にシュートを打ち続けると、前半10分にこぼれ球を逃さず蹴り込んで先制点。2―0の同40分に、クロスに頭を合わせて加点すると、後半13分には左からのクロスに滑り込みながら足を合わせてハットトリック達成だ。「高校の公式戦では初めて。1点目が取れて気持ちが楽になった」と振り返った。

 昨秋の県選手権でメンバー入りしたが、全国ではベンチ外。悔しさを胸に、6日からの全体練習に取り組んできた。選手権敗退後には、仲の良かった主将のDF野田裕人(3年)から「お前ならやれる!」と激励も受けた。「前チームは決定力不足と言われていたので、今年は自分が点を取る。決定力には自信があります」と宣言した。

 相手の三島北は前線からDFラインを高く上げてプレスをかけてくるなど、懸命な守備を見せた。それでも前半35分にはMF四海星南(2年)が裏へ抜け出してゴール。上田だけでなく全員が東福岡の堅守を破れなかった反省を生かし、「どうやって崩して点を取るのか。そこにこだわっていきたい」と四海は言葉に力をこめた。

 もちろん目標は前回大会に続く連覇。この日の快勝にもイレブンは試合後、車座になり、反省点などを話し合った。「静学には勝てない、と他校に思わせるような圧倒的な形で優勝したい」と上田。2回戦以降も新生・静学を象徴するエースストライカーとしてゴールを量産し、白星を重ねて行く覚悟だ。(里見 祐司)