◆サッカー ◇全日本高校女子選手権 第6日 ▽決勝 藤枝順心-神村学園(12日、ノエビアスタジアム神戸) 全日本高校女子サッカー選手権は12日、ノエビアスタジアム神戸で決勝(午後1時40分)が行われる。史上初の3連覇を目指す藤枝順心(静岡〈…

◆サッカー ◇全日本高校女子選手権 第6日 ▽決勝 藤枝順心-神村学園(12日、ノエビアスタジアム神戸)

 全日本高校女子サッカー選手権は12日、ノエビアスタジアム神戸で決勝(午後1時40分)が行われる。史上初の3連覇を目指す藤枝順心(静岡〈2〉)は11日、神村学園(鹿児島)との決戦に向け大阪府内で最終調整。前回大会、昨夏の全国高校総体と、決勝でゴールを決めているMF葛西唯衣(3年)が全国決勝戦3連発に意欲を見せた。ファイナルを制する一撃で、チームの偉業達成に貢献する。

 前人未踏の領域へ、たどり着く瞬間が近づいてきた。過去4校が5度挑戦して果たせなかった3連覇。藤枝順心も2019、20年度大会を制したが21年度は4強にとどまった。同年、優勝したのが今回決勝でまみえる神村学園だった。最終調整を終えて報道陣に対応した葛西は「相手のリズムにのまれず、勢いをはね返すような入りをしたい」と決戦を見据えた。

 大舞台での強さは折り紙つきだ。前回大会、十文字(東京)との決勝(3〇0)は後半24分から出場し、同30分に試合を決定付けるダメ押し弾。昨夏の総体でも大商学園(大阪)とのファイナル(2〇0)で後半30分に2点目を決めている。「プレッシャーもあるけど気にせずプレーしたい。今年もゴールを決めたいです」と“決勝3連発”に意欲十分。チームに総体も含めた全国大会5連覇をもたらす一撃で、ヒロインの座を手に入れるつもりだ。

 チームはここまでの5試合で34得点、全試合完封と圧倒的な強さを見せている。しかし、葛西は1回戦の滋賀・近江兄弟社戦(17〇0)こそミドル弾をたたき込むなど2得点したが、以降はノーゴールに終わっている。「ここまではチームのみんなに助けられている。最後は持ち味を出して貢献したい」。この日の実戦形式のメニューでも軽快な動きを見せ、決勝での得点へイメージを膨らませた。

 中学時代、順心の全国制覇に感激し、練習体験会への参加を決めた。「レベルがダントツに高くて、この環境なら成長できると思った」。地元・青森を離れ、静岡の名門で挑戦することにためらいはなかった。3年間の集大成となる最高の舞台。誰よりも輝く準備はできている。(武藤 瑞基)