「大相撲初場所」(12日初日、両国国技館) 大相撲初場所は12日に東京・両国国技館で初日を迎える。琴桜、豊昇龍の両大関が初の綱とりに挑み、横綱同時昇進が実現すれば1970年春場所の北の富士&玉の海以来55年ぶりとなる。横綱照ノ富士は両膝痛…

 「大相撲初場所」(12日初日、両国国技館)

 大相撲初場所は12日に東京・両国国技館で初日を迎える。琴桜、豊昇龍の両大関が初の綱とりに挑み、横綱同時昇進が実現すれば1970年春場所の北の富士&玉の海以来55年ぶりとなる。横綱照ノ富士は両膝痛など体調面に不安を抱える中で2場所連続全休から再起の土俵。デイリースポーツ評論家で元横綱武蔵丸の武蔵川親方が展望する。

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 琴桜の綱とりが注目だな。九州場所で14勝1敗の好成績で初優勝。相撲内容も良かったけど、何より体の調子がいいというのが大きかったと思う。元気がいいので、相撲をとるたびに流れが良くなっていったからね。

 もちろん、綱とり場所のプレッシャーはあるはず。ただ、それ以上に初場所は独特の雰囲気がある。1年最初の本場所なので、緊張感がちょっと違うんだ。その中で初日からひとつずつ勝っていけば、いい流れで乗っていける。とにかくパーフェクトな体の状態で場所に入って、そこに気持ちがついてくればベストだよ。

 豊昇龍は先場所と同じような相撲を取れるかがポイント。初日に負けることが多いので、序盤の5日間が大事になる。自分のメンタルとの勝負になってくるな。大の里は九州場所はあまり体調が良くなかったようだけど、土俵に上がる以上は言い訳にはならない。力は持っているんだし、大の里が優勝争いに絡めば、さらに盛り上がるからね。

 2場所連続全休明けの照ノ富士は十分な稽古ができていないみたいだし、厳しいことは厳しいね。得意の右四つになれば力を出せるけど、相手も横綱を倒そうと必死に向かってくるから、簡単に組ませてはくれないはず。まずは明日のことは考えないで“先は先、きょうはきょう”という気持ちで、目の前の一番に集中することだと思うよ。

 楽しみな若手も多いけど、誰が出てくるかは始まってみないと分からないな。昨年も大の里は上位に来るなとは思っていても、尊富士が春場所で幕内優勝したのはさすがにビックリした。でも若い力士が上がってくれば、もっと面白くなるのは間違いない。関取衆全員がいい相撲をとって、ファンに喜んでもらいたいね。