打席に入る前の独特の振る舞いは、イチローの「代名詞」ともなった。(C)Getty Images 日本が生んだレジェンドの輝きは色褪せない。 現地時間1月21日に迎える2025年の米野球殿堂入り選手の発表が迫り、候補者のひとりであるイチロー氏…

 

打席に入る前の独特の振る舞いは、イチローの「代名詞」ともなった。(C)Getty Images

 

 日本が生んだレジェンドの輝きは色褪せない。

 現地時間1月21日に迎える2025年の米野球殿堂入り選手の発表が迫り、候補者のひとりであるイチロー氏(シアトル・マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)に対する注目度が高まっている。

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 受賞資格取得1年目となるイチロー氏だが、全米野球記者協会(BBWAA)による投票による選出そのものは確実と言われている。むしろ期待は、2019年のマリアーノ・リベラ(元ヤンキース)に次ぐ史上2人目の満票選出が実現するか否かに集まっている。

 MLBの歴史で野手史上初の快挙をやってのけるか。米国内ではイチロー氏の現役時代の異彩ぶりを伝える報道が連日のように続いている。米老舗スポーツ誌『Sports Illustrated』は「イチローの並外れた才能が、彼に必要な力をすべて与えた」と題した特集記事を掲載。さまざまな視点から稀代のヒットメーカーの活躍を振り返った。

 何よりもパワーが重視されていた2000年代初頭のMLBの中で卓越した技術と類まれなセンスで異彩を放ったイチロー氏。同誌はレジェンドの偉才さを「ベーブ・ルースがホームランを世に広めた時代からさかのぼる現代の野球界において、イチローは唯一無二の存在である。彼は、あらゆる意味で、独自のスタイルを持つ選手だった」と強調。そして、他者と一線を画すスタイルを次のようにも評している。

「イチローは、ボールをしなやかに打つことこそを芸術とするテクニシャンだった。イチローのスピードと助走スタイルでは、彼のゴロを捕るのに2歩以上動く必要のある内野手は、彼をアウトにできる可能性はほとんどなかった」

 さらに同誌は往年の名プレーヤーとの比較も展開。「イチローは200安打と100得点を8回達成し、これはウィリー・キーラーとルー・ゲーリッグに並ぶ最多タイ記録である。また、彼は10年連続で200安打を達成し、キーラーの8年連続の記録を更新した」と伝えた上で、数々の歴史的な偉業の持つ凄みをクローズアップしている。

「イチローの場合、統計的な最上級の言葉を見つけるのは、空から星を選ぶようなものであり、それこそ彼がプロとして記録した4367本の中からヒットを選ぶようなものである」

「とある球団の幹部は『私が最も感銘を受けたのは、選手たちの静かで、紳士的な態度があまり見られなかった時代に、彼が常に静かで紳士的な選手だったことだ。彼は決して怒って声を荒らげることはなかった』と語った。こうした永続的な賛辞は彼の最も愛らしい、不朽の資質から生まれたものだ。それは数々のヒットや記録だけによるものではなく、イチローの『芸術』によるものなのだ」

 その芸術的なプレーとスマートな言動で異彩を放ったイチロー氏。今回のような評価を見ても、キャリアに輝かしい功績が加わるのは間違いなさそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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